消える夏の風物詩…雑踏事故等の懸念で春日井市民納涼まつりの花火が中止 ビニール素材の“スカイランタン”に

夏の風物詩「花火大会」が今、各地で中止となる事態が相次いでいます。愛知県春日井市でも、2024年から打ち上げ花火が中止となりました。理由には、燃えカスや安全対策の問題がありました。

愛知県の「春日井市民納涼まつり」は例年、5000発ほどの花火で多くの人を楽しませてきました。しかし、2024年からは花火を止めることになりました。

春日井市市民生活課の川島浩資課長:
周りに住宅地があるものですから、花火の残滓、燃えかすや破裂した後の紙といったものが飛び散るという影響も発生していました。

風向き次第では、会場周辺に広がる住宅街に花火の燃えカスが飛び、過去には車を外に展示していた中古車販売店への賠償にいたったケースもあったといいます。

懸念はもう1つあります。23年、納涼まつりには過去最多の18万2000人が訪れました。市は、ハロウィーンの韓国で起きた雑踏事故を受け、会場に定点カメラを設置したところ、地面が見えないほどの人だかりが確認できました。

安心と安全のため、1977年から続けてきた打ち上げ花火を止める苦渋の決断をしました。

春日井市民A:
ちょっと残念ですかね。子供が楽しみにしていましたから。

春日井市民B:
寂しいなと思って。夏には花火!というのがあったから。残してほしいかなと。

24年は新しい催しで盛り上げることになっています。

ビニール素材のランタンにヘリウムガスを注入して浮かべる「スカイランタン」を使い、夏の夜空を幻想的に照らす企画です。

チケット制の催しとして用意した300枚は、わずか3時間ほどで完売してしまいました。チケットがなくても観覧できるエリアを設ける予定だということです。

春日井市市民生活課の川島浩資課長:
多少、雑踏は緩和されるのかなという見込みを立てております。スカイランタンの持つ幻想的な魅力を、来場者の方にぜひ楽しんでいただけたらと考えております。

(東海テレビ)

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