渋谷にあるオフィスで働く娘は、通勤定期券をプライベートでも使っているようです。バレたら問題になるのではと心配です…。

定期券をプライベートで使っても違法ではない

通勤用の定期券をプライベートで使っても大きな問題にはなりません。交通費は従業員に対して給料として支払われるものであり、会社は給与の使い道まで関与できないからです。

給与して支払われているため従業員のもの

交通費は給与の一部として支払われています。給与明細を見てみると「通勤手当」「通勤交通費」などといった項目があります。定期代は通勤手当や通勤交通費に含まれているため、従業員がどのように使おうと、会社が使い道まで強制することはできません。

会社に不利益や損害が発生していない場合は問題ない

定期券は会社から現金や現物で支給されます。定期券を通じて会社に不利益や損害が発生しない限り、プライベートで使用しても問題ありません。ただし、定期券の申請時に不正な申告をしたり、定期券を明らかに不正利用していると判断されたりした場合は、この限りではありません。

定期券で不正と判断される場合

ここでは定期券をプライベートで使用する場合に、不正と判断されるケースを紹介します。判断ポイントは「定期券の申請」であることに着目しましょう。

定期代を申請しながらも使用していない場合

会社から「通勤用の定期券について申請するように」と伝えられ、申請して定期券代を受け取っておきながら、定期券を購入していない場合は不正と判断されます。

例えば、5駅分の定期券代を会社から支給されているにもかかわらず「実際は自転車で通勤しており、定期券は買っていない」といった場合が挙げられます。会社は定期代の購入に際し、申請を受けたうえで代金を渡しているため、代金を目的外に使用することを認めていません。不正がばれた場合は、しかるべき処分がなされるでしょう。

わざと遠い距離で申請している場合

定期代を申請する際、意図的に遠い距離で申請した場合も不正とみなされかねません。例えば、最寄りが東急東横線沿線の駅であるにもかかわらず、少し遠いJRの駅を利用するとして申請する場合は注意が必要です。

自宅の最寄り駅が東急東横線の中目黒駅で、会社の最寄り駅が横浜であった場合、中目黒駅から東急東横線の横浜駅までの運賃は切符で310円です。

しかし、自宅から少し離れたJR恵比寿駅を利用してJR横浜駅まで向かう場合には410円かかり、100円高くなります。より高い金額を受け取りたいからと、高いほうの行き方で申請を行う場合は、不正と判断される可能性もゼロではありません。

定期券の利用は、プライベートで使うか否かよりも、正しい内容で申請しているかどうかが重視されます。

注意の原因に! 会社のものを私的に利用するNGケース

定期券をプライベートで使用しても大きな問題には発展しませんが、会社のものを私的に利用すると、罪に問われたり懲戒処分になったりする可能性があります。例えば、下記の備品を私的に利用したり持ち出したりすると、窃盗罪や横領罪と判断されることもあるため、注意しましょう。

__●ノートやペン
●パソコン
●自動車
●販促用の商品など__

とくに、パソコンには会社の情報が多く保存されているため、業務外のネットサーフィンなど私的な利用を禁じている会社が多くみられます。万が一、会社の情報が漏洩すると会社の存続に関わるほどの深刻な事態に発展する恐れがあるためです。

パソコンはもちろん、例え安価なものであったとしても、会社のものを私物化するのは避けましょう。

定期券のプライベート使用は節度を守って

会社から支給されたものをプライベートで使用することは可能かどうか悩みます。疑問に思う場合は、就業規則や担当者に確認することが大切です。一般的に、定期券をプライベートで使用することは問題ありません。しかし、会社に損害を与えるような使用方法は避けましょう。

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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