男子バレー日本、疑惑の判定に猛抗議 「選手に対して失礼」物議を醸した原因に“チャレンジ項目”

バレーボール日本の石川祐希【写真:VNL提供】

ネーションズリーグ終了 大会中のさまざまなトピックを振り返る

バレーボールのネーションズリーグ(NL)は男子日本代表が銀メダルを獲得。同じく銀メダルを獲得した女子とともに快進撃を演じた。5月から始まった大会も、6月30日(日本時間7月1日)に行われた男子決勝をもって終了。期間中に盛り上がった話題を振り返る。今回は判定を巡る悲喜こもごも。日本戦では思わず主将の石川祐希が猛抗議するシーンがあり、熱視線を集めた。

ファイナルラウンド準々決勝・カナダ戦の第3セット、日本が17-18で追う場面だった。相手のフェイントを大塚達宣が前方に飛び込みながら拾うと、小野寺太志と高橋健太郎が重なりかけながら、高橋がなんとか上げた。最後は宮浦健人が相手コートに返したが、主審はフォアヒット(4回以上ボールに触れる反則)の判定でカナダにポイント。小野寺がボールに触れたと判断されたとみられるが、これに主将の石川祐希らが猛抗議した。

映像を観ても小野寺が触れたようには見えないが、ポイントとなるのはチャレンジの対象項目。ブロックタッチ、ネットタッチなどは対象となるが、フォアヒットは対象ではない。日本にとっては勝負所で大切な1点となったが、判定が覆ることはなかった。スイスのバレーボール専門メディア「バレーボール・ワールド」公式Xは、首をかしげるような絵文字とともに実際の動画を公開し、ファンの間でも物議を醸すことになった。

「珍しく興奮している石川」「人生かけてバレーやってるのに選手に対して失礼だと思う」「そりゃけんたろーもこんな表情になるわ……」と厳しい声が上がり、国際中継の実況席も「レフェリーは間違っていますね」と痛烈に指摘。「カナダはラッキーでした。ケンタロウが抗議を続けるのも理解できますが、続けるとイエローカードが出されてしまいます」と伝え、主審に対し「大スクリーンでリプレーが映されています。見るんだ! 見てくれ!」と絶叫していた。

チャレンジができない場合でも主審が認めた場合は副審と相談したり、映像を確認したりして判定を変更することも。そこまで主審とコミュニケーションを取ることも大切な要素だ。それでも、ここから猛攻を演じて逆転でセットを取り、3-0で勝利した日本。準決勝でスロベニアも破り、ファイナルでフランスとの接戦の末に敗れたものの、銀メダルを獲得した。パリ五輪に向けて、さまざまな想定をする上で貴重な大会となった。

THE ANSWER編集部

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