永世棋聖獲得の藤井聡太棋聖「声かけると未来が変わってしまうかも」過去の自分へのアドバイス問われ“神対応”

将棋の第95期ヒューリック杯棋聖戦五番勝負第3局が7月1日、愛知県名古屋市の「万松寺」で行われ、藤井聡太棋聖(竜王、名人、王位、王座、棋王、王将、21)が挑戦者の山崎隆之八段(43)に勝利し、シリーズ3勝0敗で防衛5連覇を達成した。この結果、藤井棋聖は21歳11カ月の歴代最年少で自身初となる永世称号を獲得した。終局後に行われた記者会見では、「永世称号というのは時代を築いた棋士が獲るものというイメージ。長期間にわたって活躍を」と今後の意気込みを語った。

【映像】藤井棋聖の“神対応”

21歳11カ月、歴代最年少で獲得した永世称号の大偉業。『永世棋聖』と記した色紙を手にした藤井棋聖の表情は晴れ晴れとしたものだった。

決着局となった第3局の舞台は愛知県。藤井棋聖の“ホーム”とも言える地での対戦とあり、「名古屋での対局ということで地元の方にも多く見て頂ける機会になるので、良い将棋を指したいという気持ちは対局前から強く持っていました。結果としてこういった結果を出すことができたのは嬉しく思っています」と嬉しそうに微笑んだ。

永世位獲得の実感を問われると、「あまりすぐに名乗るというものではないので、まだ実感というものもそれほどはないですが…」と照れ笑い。すぐに表情を引き締めると、「これまで永世称号というのは時代を築いた棋士が取られるものというイメージがありましたので、今回永世棋聖を得ることができたことを嬉しく思うとともに、今後も長期間にわたって活躍していけるように取り組んでいかなくてはいけないなという思いを同時に思っています」と更なる飛躍を誓った。

会見では、初タイトルを獲得した17歳当時に戻れるとしたらどのように声をかけるか、と変化球気味の質問が投げかけられる場面も。「当時もいろいろ考えながら取り組んでいたので、アドバイスというのは特にないかなと思いますし、声をかけることによって未来が変わってしまうかもしれないので、声はかけなくていいのかなと思います」と“神対応”を見せていた。

今後の藤井棋聖は、7月6日に開幕する防衛戦の伊藤園お~いお茶杯王位戦七番勝負に臨む。渡辺明九段(40)を挑戦者に迎える本シリーズも、“永世王位”獲得がかかるシリーズに。「全力を尽くして指していきたい」と、その視線は次なる戦いへと向けられていた。
(ABEMA/将棋チャンネルより)

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