県立高、テストをAIで採点 福島県教委導入 教員の負担軽減へ

(写真上)自動採点システムを活用して期末テストを採点する渡部教諭=福島東高、(下)システムのイメージ

 福島県教委は1日、全ての県立高校73校と中学校2校の計75校に、生徒の定期考査などの試験を自動で採点するシステムを導入した。解答用紙をスキャンしてデータ化すると、人工知能(AI)が模範解答を基に自動で正解かどうかを判定し、採点する仕組み。教員の働き方改革が課題となる中、負担軽減や業務の効率化につなげる。

 システムのイメージは【図】の通り。採点の対象は記号や数字を選ぶ選択問題で、文章や単語などの記述は従来通り教員が採点する。システムでは設問ごとの正答率も自動で分析できるため、正答率の低かった設問内容を効率的に把握し生徒への指導に生かせる。

 導入校のうち、福島東高では先週実施した1学期の期末テストをシステムを活用して採点している。2、3年生の公民を担当する渡部純教諭(50)はこれまで生徒約240人の解答用紙を採点する際、自宅に持ち帰って土、日曜日も採点しなければ生徒へ返却できない状況だった。6クラスを受け持つが、1クラス当たり1時間半~2時間かかっていたという。

 渡部教諭はシステムの導入を受け「採点の作業時間が半分以下になり、計算もAIがしてくれるのでミスが減る。作業時間が短くなると(授業の準備などに)余裕ができる」と期待した。

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