北朝鮮代表が「太陽も月も見えない場所に送られる」可能性は?W杯最終予選

北朝鮮国旗 写真:Getty Images

「チョッリマ」の愛称で親しまれるサッカー北朝鮮代表は、アメリカ、カナダ、メキシコが共催する2026年FIFAワールドカップ(W杯)アジア最終予選(3次予選)の組み合わせ抽選会で、比較的戦いやすいグループを引き当てた。北朝鮮のW杯出場権獲得のチャンスと情勢に注目が集まっている。

W杯アジア最終予選で、イラン、カタール、ウズベキスタン、アラブ首長国連邦、キルギスと同じグループAに属することになった北朝鮮。FIFAランキングでは6チーム中最下位(114位)だが、出場権獲得のチャンスがあるのではないかと予想されている。予選での南北対決や日本、オーストラリア、サウジアラビアの強豪が揃う「死のグループ」を回避したからだ。

そんな状況の中、インディアナポリス在住で脱北者のポール・ハン氏は「韓国、アメリカ、日本と対戦するときは北朝鮮を応援する」と米政府系放送局ラジオ・フリー・アジア(RFA)で語り、その理由として「負ければ太陽も月も見えない場所に代表選手が送られる可能性があるからだ」と発言した。

発言の真意は定かではないが、W杯という予選・本選の大舞台では国の威信をかけた戦いになることから、ライバル国との対戦で敗北は許されないという政治的な思惑がからんでいると思われる。

北朝鮮はW杯アジア2次予選では日本に次ぐグループ2位となり、シリアとミャンマーを上回る成績を収め、高評価を得ている。最終予選は9月5日に始まり、アウェーでウズベキスタンとの初戦を迎える。グループAの上位2位以内に入ればW杯出場が決まるが、3位と4位となった場合にはアジアプレーオフ、さらには大陸間プレーオフという長丁場が待っている。

ただ、2次予選では北朝鮮ホームの日本戦が回避されたこともあったが、北朝鮮が自国で試合を開催するのか、第三国で行うのかは現在不明のままだ。COVID-19の影響で閉鎖されていた国境が再開されたものの、他国のチームとファンを迎える準備が整っているかは疑問視されている。

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