新規就農者向けの技術習得管理施設が完成 福島県飯舘村で竣工式

施設の完成を祝い、テープカットをする出席者

 福島県飯舘村が整備を進めてきた新規就農者向けの技術習得管理施設が完成し、村内深谷の現地で1日、竣工(しゅんこう)式が行われた。村は2030年の村内農業者を、2022(令和4)比50人増の350人程度とする目標を掲げている。関係者は農業復興の加速や就農者の呼び込みにつながる拠点の完成を祝った。

 施設名称は「農業研修館きらり」。村民の森あいの沢内の「宿泊体験館きこり」に隣接している。木造平屋で、延べ床面積は515平方メートル。研修室の他、宿泊用居室5部屋(最大計27人収容)やダイニングキッチン、洗濯室などを備えている。有料で利用でき、料金は今後決まる。総事業費は3億4417万円。

 村はJAふくしま未来や県、地元生産者と連携し、施設利用者に対し営農技術や農家経営のノウハウなどを伝える。村によると、村内の新規就農者は年間数人程度で推移している。研修の場を設け、就農希望者のさらなる増加や村内定住につなげたい考えだ。

 式には約40人が出席した。杉岡誠村長が「農業の再生、発展につながる施設だ」と期待を述べ、関係者がテープカットした。

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