32年間のプロレス人生を終え翌日から51歳の新入社員に!みんなに愛されてリングを降りたカズ・ハヤシが「プロレスと出会って、プロレスを好きになってよかった!」

1日、TDCホールにて『GLEAT Ver.12』が開催。第6試合ではカズ・ハヤシ引退試合として【G-INFINITY王者】カズ・ハヤシ&CIMAvs【挑戦者】石田凱士&井土徹也が行われた。

カズは1991年にユニバーサル・プロレスリングに入門し、覆面レスラーの獅龍(しりゅう)としてデビュー。1993年にみちのくプロレスに移籍し、SATO(ディック東郷)&テリー・ボーイ(MEN'Sテイオー)&TAKAみちのく&船木勝一(FUNAKI)とともに海援隊☆DXとして国内外で活躍する。2002年に全日本プロレス入団後は世界ジュニア王者として現在まで続く最多連続防衛記録を樹立する。
2013年の全日本プロレス分裂騒動時にWRESTLE-1へ入団し、2017年にはWRESTLE-1の取締役社長に就任。
2020年3月にWRESTLE-1が活動を終了し、同年8月にGLEATが設立されると最高技術顧問に就任する。昨年12月に本大会での引退を発表し、様々な団体を巡って「全く悔いが無い最高のプロレス人生を送ってる」との言葉通り爽やかな引退ロードを行っていた。

この日はカズ&CIMAのベテラン王者タッグにGLEATの未来である石田&井土が挑むことに。
先発から石田とカズがショルダータックルで意地をぶつけ合い、お互いパートナーが出てくると連携攻撃を避けあう一進一退へ。
石田と井土の蹴りでボコボコにされるカズをCIMAが助け、井土にスワンダイブ・メテオラから石田に変形足4の字。さらにCIMAのシュバインとカズのパワープラントの共演を見せ、カズがファイナル・カットからCIMAがメテオラを発射する。
しかし石田がBKを避けてレフェリーに誤爆させると、大門寺崇、ハートリー・ジャクソンがリングに上がりカズを痛めつける。すると渡辺壮馬、鈴木鼓太郎、MICHIKO、鬼塚一聖、田中稔、T-Hawkと次々選手が入ってきて乱戦となり、T-Hawkが石田をウラジゴクで叩きつけると復活したカズがファイナルカット。
トドメのパワープラントを狙うが、切り返した石田が掌底から腕を掴んでのバズソーキック連打で動きを止め、最後は井土のハイキックから石田がハーフタイガースープレックスホールドで3カウント。カズ・ハヤシに引導を渡し世代交代をアピールした。

無言でリングを去ったカズだったが、エンディングに現れると「32年間のプロレス生活、応援していただいてありがとうございます!ほんとに皆さんの応援が僕らのパワーになって、辛い時あったけど頑張るパワーにしてくれました。ほんとにありがとうござます。(GLEATの)みんなも同じ時代にここで仲間になれたことがほんとに嬉しいです。私はプロレスラーを辞めて、次!僕はプロレスに今後も関わっていきたいと思っています。つまり!みなさんが戦うリングを、この環境を、僕は全力で作っていきます!2024年7月1日、カズ・ハヤシは引退しました。そして2024年7月2日、明日からはGLEATの親会社であります、リデットエンターテインメントに、51歳のこの私が!新入社員として入社致します!ありがとうございます。いや最高のプロレス人生だよ。プロレスと出会って、プロレスを好きになってよかった。ありがとうございました」と、引退後もGLEATに関わっていくことを発表。
10カウントゴングやセレモニーはなく、最後は選手たちによる胴上げで笑顔で花道を去った。

バックステージでカズは「僕の理想として10カウントゴングは暗いからやりたくなかったんです。あと未来を見せるためにも、最後はやっぱりGLEATの仲間と一緒に次を見せていくっていうようなことができればと。プロレスもそうじゃないですか。次を見せていかないといけないんで、過去を引きずっていくのは僕らしくないなっていうのもあったのであの形にさせていただきました」と説明。
最後は明るく楽しく激しいプロレスを見せて引退したカズ・ハヤシ。翌日からはプロレス団体の社長経験もある中途採用の新入社員として、即戦力の働きでプロレス界を大きく支える背広組になることは間違いない。

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