観葉植物に虫を発生させないためには 湧きやすい種類3選 プロが教える予防法

インテリアに人気の観葉植物(写真はイメージ)【写真:写真AC】

室内で育てているのに、観葉植物に虫が発生してしまうことがあります。なぜでしょうか。どんな虫がつくのか、どのような虫対策をしたら良いのかについて、フラワー&グリーンコーディネーターののなかりえこさんに伺いました。

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室内置きの観葉植物に虫が湧く原因とは

室内で観葉植物を育てていても、虫が絶対に出ないということはありません。虫が発生する主な理由としては、もともと土の中に虫がいた、水をやりすぎている、受け皿の水を溜めっぱなしにしている、乾燥している、風通しが悪いなどが考えられます。

室内置きの観葉植物に出やすい主な虫の種類

観葉植物に出やすい主な虫は、次の3つです。これらは観葉植物の樹液を吸って植物を弱らせ、枯らしてしまい、排泄物によって植物にさらなる病気を招くことがあります。

○ハダニ
ハダニは葉裏に寄生して汁を吸うため、葉の表面から見ると吸われた部分の葉緑素が抜けて、針先でつついたような小さな白い斑点が生じます。クモの巣のような糸を張るようなこともあり、初めは気づきにくいのですが、被害が広がるとだんだん葉全体が白っぽくなり、植物の生育に悪影響を及ぼします。

○カイガラムシ
カイガラムシの多くは体長2~3ミリと小さく、大きいものでも1センチ程度です。殻をかぶったり、ろう物質や白い粉で覆われたりしているため、一見すると虫とはわからず汚れや模様と間違えることもあります。植物にカビが増殖し、葉が黒っぽくなるすす病などを誘発。葉や床がベタベタして汚れている場合は、虫がいる可能性が高いです。目安にしてください。

○アブラムシ
体長は1~3ミリで、黄緑色のものが多いです。繁殖力が旺盛で、植物の新芽に好んで寄生します。口針を幼枝の先端部や茎、根などに差し込んで汁液を吸い、植物の生育を阻害。ウイルス病を媒介したり、分泌物でアリを誘引したりします。

虫が発生してしまった場合の対策方法

植物に虫が発生してしまった場合、放っておくとどんどん増えて植物が枯れてしまう原因になるので、まずは虫の駆除を最優先してください。水で洗い流したり、ティッシュペーパーを使って取り除いたりしましょう。また、市販されている薬もさまざまな種類があるので、状況によって活用してください。

虫によっては、土の中に卵がある場合も。新しい土に植え替えると良いでしょう。

虫を発生させないために日頃からできること

日頃から虫対策としてできることは、5つあります。

1つ目は、風通しを良くすることです。風通しが良くないと、ジメジメとした環境を好む虫が発生しやすくなり、カビやキノコが生えてくることもあります。根腐れを起こす可能性もあるなど、悪循環になってしまうので風通しは大事です。

2つ目は、過度な乾燥に注意することです。湿った環境だけが虫を誘発するのではありません。反対に乾燥を好む虫もいます。適度な湿度を保ちましょう。

3つ目は、必要な明るさがある場所で育てることです。うまく光合成できないと弱い株に生長し、健康的でない弱った植物は害虫の被害に遭いやすくなります。1つ目の風通しと関係しますが、虫は暗くて風通しの悪い環境を好むものです。

4つ目は、受け皿や鉢カバーに水を溜めたままにしないこと。溜まった水は虫を誘引しやすいです。また、ずっと溜めたままにしておくと、雑菌の繁殖や根腐れの原因にも。虫対策以外でも、受け皿には水を溜めたままにしないことをおすすめします。

5つ目は、葉にホコリを溜めないようにすることです。ホコリが溜まっていると不衛生で、カビやダニの養分となり得ます。部屋を掃除するのと同じように、植物も手入れしてあげましょう。

のなか りえこ
フラワー&グリーンコーディネーター。インテリア商材を扱う仕事から花の世界へ。現在はフリーで活動中。花と植物に関する提案・制作(装花・装飾・植栽など)を中心に行う。

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