「混んじゃうので遅刻しそう」ラッシュ時に乗れないのに熊本市電が過去最大規模の減便 人員不足でトラブル続き

熊本市電では、6月29日に減便のダイヤ改正が始まった。7月1日に初めての平日を迎え、コロナ禍を除けば過去最大規模となった今回の減便について、利用者はどんな反応を示したのだろうか。

過去最大の大幅減便「人員足りてない」

熊本市東区にある健軍町電停は以前からラッシュ時の『積み残し』が課題となっている電停だ。やってきた電車に人が乗り込んでも、列はなかなか解消しない。

今回の熊本市電のダイヤ改正で平日の運行本数は433本から369本へ15%減った。終電の時間は最大42分前倒しだ。ここ健軍町電停では、朝のラッシュ時午前8時半までの1時間に16本運行していたものが、7月1日からは14本と2本減った。

市電を待つ利用者は「混んじゃうので遅刻しそう」や「困る人が多いかな」と、減便の影響を受けているようだ。

熊本市交通局運行管理課の松尾達哉課長は「人員が足りていない状況のため、終電等も前倒しすることで乗務員の労働環境の改善を図り、併せて安全教育の強化をこれまで以上に図っていきたいと考えている」と答えた。

熊本市交通局では、2023年4月に101人いた乗務員が2024年4月には83人に減少。さらに車両の故障や、ドアが開いた状態での走行、赤信号での走行といった運行トラブルも相次いでいる。

利用者は一部に理解示すも今後に課題

市交通局は、減便によって乗務員の労働環境を改善し、安全教育の強化に取り組むとしているが、利用者からは「運転士が増えるような対策をとってもらわないと、相当無理がきているのではないか。運転士さんたちも」や「どれだけ雨が強くても台風の時でも走ってくれてありがたいと思っているので減便は仕方ないと思っている」と話した。

また、別の利用者は「最近、事故とか聞くので、事故が減ってくれるならいいなと思う」や「乗務員さんが不足しているのも分かるし、(車両)老朽化も耳にするので、何らかの支援がないと市電だけの問題では解決するのは厳しいと思う」と話した。

市交通局は2024年度に乗務員を10人採用したほか、2024年中には3両編成の車両2台を導入し運行を始める予定だ。

熊本市交通局の松尾課長は「今年度を乗り切れば、状況の改善というのを見込んでおりますので、しばらくの間ご理解いただければと思います」と話し、状況が改善すれば2025年4月にも増便のダイヤ改正を行いたいとしている。

(テレビ熊本)

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