ヴェルスパ大分 失点数の多さを改善し、後半戦へ勝負 【大分県】

間もなくリーグ前半戦を折り返すヴェルスパ大分。5勝5分け4敗、勝ち点20で7位。J3昇格を目指す上で、自動昇格となる首位との勝ち点差は16と大きく引き離されているが、入れ替え戦に出場できる2位との差は6となる。

これまでの14試合を振り返ると、昨季までの堅守にほころびが生じ、失点数の多さが気になる。複数失点した試合は7試合。山橋貴史監督は「強度が足りず、安定感がない。これは守備陣だけの問題ではなく、前線や中盤の選手のプレスがかからず、相手のパスコースを限定してインターセプトを狙うためのポジショニングも悪い」と分析する。

もともと大分は前線からのプレスを持ち味としているが、相手がロングボールを多用することが多く、「どこもウチのサッカーを研究している。戦い方を変えてくるチームが増えた」(山橋監督)と言うように、直近の14節・横河武蔵野FCも、これまで中盤でパスをつないでいたチームが、前線を目掛けてロングボールを増やす戦術に変えてきた。この状況を受けて、大分も戦い方を変えている。全体が間延びしないように守備陣形をコンパクトにした。相手のロングボールに対して味方の最終ラインが跳ね返し、中盤の選手が予測と反応で上回ってセカンドボールを拾えるよう改善している。

守備の安定がカギを握る

課題とされてきたゴール前の勝負強さに関しては、サイドからの攻撃を徹底する。ゲームメーカーの瓜生昂勢は「攻撃の形を作ることで再現性を高めることができている。複数得点できている試合(6試合)が増えているのは、その成果だ」と手応えを感じている。また、ここまで4得点の大卒新人の佐々木翔の活躍は明るい材料。動きの鋭さ、得点嗅覚に優れ、今後の爆発を予感させる。

これまでの試合内容は決して悪くはない。後半戦は内容的に支配した試合をどう勝ちに結びつけていくかがテーマになる。前半戦のように簡単に失点するもろさを見せては上位争いは難しい。最後まで押し切る力強さが必要になる。

後半戦巻き返し、J3昇格を目指す

(柚野真也)

© オー!エス! OITA SPORTS