日本一ちっちゃい 海鹿島駅に「美術館」誕生 銚子ゆかりの文化人紹介

レトロな雰囲気に仕上げた海鹿島駅の「日本一ちっちゃな美術館」

 銚子市のローカル鉄道・銚子電鉄(銚電)海鹿島駅に広さ約10平方メートルの「日本一ちっちゃな美術館」がオープンした。銚子ゆかりの文化人を紹介しようと、銚電が開業100周年記念事業の一環で駅舎の一部を改装した。銚子滞在時の恋にちなんだ代表作「宵待草」を残した画家で詩人の竹久夢二(1884~1934年)をクローズアップし、紹介パネルなどを展示している。入館無料。

 美術館はレトロな雰囲気の仕上がりで、今年3月運行終了した「大正ロマン電車」の窓ガラス模様を再現し、ステンドガラス風もある。展示品は「宵待草」の楽譜表紙絵(レプリカ)や作品パネルが並ぶ。海鹿島周辺の案内動画も流れる。

 銚子は風光明媚(めいび)な景観と穏やかな気候によって明治から昭和初期にかけて多くの文化人が来訪した。同駅周辺は夢二の詩碑はじめ、日本画家の小川芋銭や銚子生まれの作家の国木田独歩などの文学碑が設置されている。

 16日に開館セレモニーが行われ、銚電の竹本勝紀社長は「地域のランドマークの一つとして認知され、多くの人に愛され、文化の香り高い海鹿島の一層の活性化につながることを願う」と話した。開館日時は土、日曜と祝日の午前9時~午後5時。

竹久夢二の紹介パネル展示も

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