旬のイサキを年中 「アレックス・カー」プロデュースの古民家レストランでいただく小値賀の新名物「イサキの棒寿司」

長崎の知られざる街の魅力を発掘し、おすすめスポットや地元グルメを、県内21市町をめぐりながらシリーズで紹介する。古民家などで全国的に注目されている北松浦郡小値賀町で新名物が誕生した。

まちの風情に魅かれて海外からも

長崎県の佐世保港から高速船で約1時間半の場所にある北松浦郡小値賀町。大小17の島からなり、人口約2000人(令和6年6月3日時点)の海に囲まれた自然豊かな町だ。

漁業が盛んな小値賀町では、昔ながらの港町の風情や路地裏など懐かしい情景に魅かれてやって来る海外からの観光客も増えている。

ドイツからの観光客:
アレックス・カー(東洋文化研究者)がこの島でプロデュースした古民家に興味ある。素敵な島のいいところを見つけたい

3日間滞在するというドイツからの観光客は、レンタサイクルで古民家などを巡ると話していた。小値賀島は周囲約30㎞、自転車で4時間程度で周ることができる。

「アレックス・カー」プロデュースの古民家

島の東側、前方郷にある「敬承藤松(けいしょうふじまつ)」は江戸時代、捕鯨で財を成した藤松家の屋敷を活用した古民家レストランだ。

「敬承藤松」は、日本各地で古民家の再生を手がけるアメリカの東洋文化研究者アレックス・カーのプロデュースで12年前に開業した。売りは島でとれる魚や野菜を使った郷土料理だ。

オススメは6月が旬のイサキ。小値賀のイサキ漁は「夜焚き(よだき)」という伝統の一本釣りで一匹一匹釣り上げる。梅雨時期のイサキは産卵前で脂が乗って格別においしいと言われている。一本釣りのイサキは「値賀咲(ちかさき)」というブランド名で東京、大阪など全国に出荷されている。

小値賀ではイサキを刺身にする時、あえて皮をはがさず、あぶったり、湯をかけたりして皮も味わうのが小値賀流だ。

ブランドイサキ「値賀咲」の姿盛りを取材した記者もいただいた。

KTN記者:
ぷりぷりでおいしい。こんなこりこりしたイサキを食べたことはありません。おいしい

旬のうまさを棒寿司で

料理長の遠山さんが考案した値賀咲の棒寿司は、皮を残し香ばしさを増したイサキを酢でしめ、梅肉とあわせた。コンブのうまみが味を一段上に引き上げている。冷凍で販売していて、解凍すればいつでも食べられるとあって土産や贈り物に喜ばれている。(※棒寿司はインターネット購入の場合は2本1セットでの販売)

古民家レストラン「敬承藤松」遠山善徳料理長:
小値賀島には特産品が少ないので、小値賀を代表する特産品を作れないかと考え、イサキ(値賀咲)で作るのがベストだと思った

「値賀咲の棒寿司」に使うブランドイサキ「値賀咲」は一本釣りしているので鮮度がよく、おいしいと評判で、25年前にブランド化して東京・大阪方面で高値で取引されている。

島の特産を生かした新たな名物。値賀咲の棒寿司には小値賀島の思いが詰まっている

こんなまちメモ<北松浦郡小値賀町>

北松浦郡小値賀町は五島列島の北部に位置し、島内に点在する100年以上の歴史を刻んだ古民家をリノベーションした「古民家ステイ」「ゲストハウス」などが全国的に人気で多くの観光客が訪れている。

(テレビ長崎)

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