『はたらく細胞』が完全に“抜刀斎”!? ダンスも殺陣も…佐藤健「すごすぎアクション」の系譜

佐藤健 (C)ふたまん+

6月11日、今年12月公開予定の実写映画『はたらく細胞』(原作:清水茜さん)の特報映像が公開され、主演の一人である佐藤健さんの演技に大きな注目が集まった。

人間の体内を一つの世界に見立て、そこで働く細胞たちを擬人化し日々の活躍を描く本作。佐藤さんは、体内に侵入した細菌やウイルスと戦う「白血球(好中球)U-1146」を演じる。

一足先に公開された特報映像では、佐藤さん演じる白血球が華麗に軽やかにアクションをこなすシーンが登場し、話題となっていた。佐藤さんと言えば、これまでもその圧倒的な身体能力で、迫力のあるアクションシーンを数々こなしてきた俳優だ。そこで今回は、佐藤さんの「すごすぎるアクション」に注目し、これまでに出演してきた作品を振り返ってみよう。

■力強くも流麗な動きはまさに抜刀斎『るろうに剣心』

『はたらく細胞』の特報映像では、白血球があざやかな身のこなしで外敵を倒していくアクションシーンが流れたが、そこに強い既視感を持つ人が続出した。

既視感の正体は、以前佐藤さんが「人斬り抜刀斎」こと緋村剣心を演じた映画『るろうに剣心』シリーズ(2012〜2021年公開/原作:和月伸宏さん)だ。ここで佐藤さんが見せたアクションと、前出の白血球のアクションが重なり、SNSでは“白血球が完全に抜刀斎”と盛り上がりを見せていたのだ。

抜刀斎は幕末の伝説の人斬りであり、一対多数を得意とする「飛天御剣流」の使い手だ。常人離れしたスピードと跳躍力が持ち味の剣技ということで、実写化は難しいと考えられていたが、佐藤さんはこれを見事に演じ切っている。

大勢の敵を相手に見せる力強くも流麗な動きは、原作そのもの。しかもスタント、CGなしだというから、まさに“リアル抜刀斎”といえるだろう。

■『龍馬伝』や『亜人』でも! 刀だけでなく銃に体術…多岐にわたるアクションシーン

このように驚異的な身体能力を誇る佐藤さんは、ほかにも数々の作品で視聴者の度肝を抜くアクションを披露している。

2010年のNHK大河ドラマ『龍馬伝』では、くしくも抜刀斎と同じ幕末の人斬り・岡田以蔵役を演じた。佐藤さんにとっては初の時代劇となった本作。持ち前の運動センスで剣戟シーンをこなし、とても初めてとは思えないリアルな刀さばきに好評を得た。このときの殺陣の経験や着物での所作が、のちの『るろ剣』にも活きたのかもしれない。

さらに2017年、映画『亜人』(原作:桜井画門さん)では、主人公の永井圭役を熱演。不死身の能力を持つ“亜人”という特殊な役どころで、疾走感あふれるバトルに激しいガンアクションで観る者を魅了した。そしてこちらも、スタントなしでこなしている。

CGと実写を融合させた迫力満点のパフォーマンスは圧巻だが、それ以上に完璧に仕上げられた佐藤さんの肉体美も必見だ。

■原点はブレイクダンスだった? 『仮面ライダー電王』

そんな佐藤さんのアクションの原点とも呼べるであろう作品は、彼のキャリア初期にさかのぼる。それは2007年の特撮ドラマ『仮面ライダー電王』だ。

主役の野上良太郎に抜擢された佐藤さんは、さまざまな性格や個性を持つ、何体もの「イマジン」に乗り移られるという難しい役どころ。何役ものキャラクターを見事に演じ分け、世間は彼の名を知ることとなった。

注目すべきは、この役の中で挑戦したダンスシーンだ。劇中ではさしかえのキャストなしで、プロ顔負けのキレキレなブレイクダンスを披露。高校時代、ダンスに明け暮れていたという佐藤さんは、当時ブレイクダンスを特技として売り出していたそうだ。

のちにさまざまなアクションシーンで彼が見せてくれる滑らかで美しい動き、そしてその表現力は、ダンスという基礎にアクションが融合して生まれたものなのかもしれない。

ブレイクダンスから常人離れした剣技まで、佐藤さんが見せるアクションは多岐にわたるシーンで異彩を放っている。今や日本を代表する名優になった佐藤さんだが、それも踏まえて今後もその唯一無二のアクションに注目したいところだ。

なお、『はたらく細胞』のアクション監督は『るろ剣』『亜人』も手がけた大内貴仁さんだ。佐藤さんとの伝説タッグの復活に、12月の映画公開に向けて期待がますます高まる。

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