高度不妊治療の負担減へ 福島の新妻産婦人科、東京の医院と連携

 ABCクリニック新妻産婦人科(福島市)は1日、体外受精などの高度な不妊治療を提供する浅田レディース品川クリニック(東京都)との連携体制を整えた。福島県内で受診機会が限られる治療を都内の専門的な医療機関で受診できるようにしたのが特長だ。患者の遠方への通院にかかる時間や精神的負担を減らし、地方と都市の医療格差の解決を目指す。

 同クリニックとの連携は東北初。連携のイメージは【図】の通り。新妻産婦人科は採卵までの注射や超音波、血液などの検査を行い、採卵や受精操作、受精卵凍結、胚移植、凍結保存管理などの高度治療は同クリニックが担う。これまで10回程度必要だった専門的な医療機関への通院が初診、採卵、胚移植などの3回ほどで済むという。

 新妻産婦人科によると、県内で採卵などの高度な生殖医療ができる設備が整っているのは福島医大など4施設のみ。県内では約3千人が不妊治療を希望しているとされるが、予約が取りにくく、1回の受診に3カ月~半年ほどかかる。このため仙台市や都内の医療機関に何度も通い、途中で治療を断念する患者もいる。

 新妻和雄理事長・院長は「不妊治療のためにキャリアを諦める女性が多い。出産を希望する女性の救いになれば」と期待を込めた。

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