MAD MEDiCiNE × TimeTree[後編]メンバーとプロデューサーが赤裸々に語る気高く美しいグループの歩み「新曲 5曲をお客さんと育てていけるようなツアーにしたい」

MAD MEDiCiNE × TimeTree[後編]メンバーとプロデューサーが赤裸々に語る気高く美しいグループの歩み「新曲 5曲をお客さんと育てていけるようなツアーにしたい」

昨今スケジュール告知ツールとしてライブアイドルの使用実績が増えているカレンダーアプリ『TimeTree』と、長年ライブアイドルシーンを追いかけているライターの冬将軍による新インタビュープロジェクト第1回の後編。

“あえて露骨なPR記事”をテーマにした前編を経て、後編となる今回は、“時間”を共有するためのツールであるTimeTreeに因んで、時=歴史をテーマに、MAD MEDiCiNEのメンバー・憑宮ルチア&唯一むに、プロデューサー・堤俊輔に話をじっくりと訊いた。

現代を生きる人たちの心に刺さる作品とパフォーマンスを魅せつける彼女たちのこれまでの歩みと、これからへの想いに迫る。

MAD MEDiCiNE × TimeTree[前編]ガチの会社訪問でアプリの魅力と活用術をリサーチ「ヲタクからも“使って!”って、めっちゃ言われます。1番見やすいから」

撮影:河邉有実莉

ミュージカルの経験を活かして唯一無二の踊り方ができたらなと頑張っています(唯一むに)

——後編はTimeTreeに因みまして、MAD MEDiCiNE(以下、マドメド)の歴史について深掘りします。ルチアさんはオリジナルメンバーで、むにさんは別のグループから2023年3月に加入。ということで、堤さんがそもそもマドメドを始めたきっかけを教えてください。

堤:

もとを辿れば、事務所(株式会社ムスコノプロダクション)の立ち上げからになるんですけど、きっかけはアングリラというガールズバンドでした。もともと自分はバンドをやっていたんですけど、もうステージに立ちたいとは思わなくて、それで裏方をやりたいなと思って始めたんです。だけど、ウマくいかなかったんです。1年やったんですけど、赤字のまま活動休止、実質解散になって……。その赤字を取り返したいと思って、アイドルを作ってみようと募集したのがきっかけです。その1番最初のタイミングで面接に来たのが(唯一)むにです。本当に3、4人目くらいでした。それで、むにともう1人で『三ヶ月の命』という、3ヵ月間限定の2人組ユニットを2022年1月から始めて、そこから派生してマドメドを4月から始めました。なので、本当はバンドがやりたかったんです。

——アイドルに興味があったわけではなく?

堤:

アイドルに興味はまったくなかったですね。今もないです。

むに:

そこは、“ある”って言って!(笑)

ルチア:

キャハハハ! そのまま書かれちゃうよ(笑)。

——いい意味で、ビジネスとして割り切っているわけですね。

堤:

ビジネスではあるけど、マドメドの色を見てもらうとわかると思うんですが、ヴィジュアル系っぽいテイストがあるじゃないですか、音楽にしても。そういうことをやるのが楽しいです。僕の中でアイドルはAKB48とかのイメージだったんで。それだと自分のやりたいことが表現できない。でもこういうダークな世界観のグループが今求められているから、自分のやりたいことを表現できる。だから楽しいですね。

——アイドルというフォーマットにやりたいことを落とし込んでいく。むにさんはオーディションの時に“全身タトゥーの人(堤P)が出てきて怖かった”と、以前話していましたよね。

むに:

あはははは! そうなんです(笑)。オーディション掲載サイトから調べたんですけど、自分もアイドルに興味がなかったというか、まったくわからない状態だったんですよ。アイドルをやりたいと思ってはいたんですけど、どこの事務所が有名だとか、そういうこともわからず。ただ、ここの事務所だけ格段にクオリティが高かったんですよ。アングリラのMVとか、アー写とか、お金のかけ方が尋常じゃなかったんです。それで、この事務所だったらちゃんとお金をかけてプロデュースしてくれるなと思って。地下アイドルの事務所って、ちょっと怪しいところもあるとか、あまりよくない話も聞いていたし。それで“ここなら!”と思って応募したら、この人がいたわけです(笑)。普通に“ヤバいところへ来ちゃった……”と思ったんですよ。だけど、結果的にこの事務所に入ってよかったなと思っています。

——そもそも、むにさんがアイドルをやろうと思ったきっかけは何だったんです?

むに:

小さい頃からミュージカルやっていまして。でも、自分的に演技が苦手だったんですよ。もう演技はやりたくないけど、歌とダンスはやりたいとなった時に“アイドルじゃん!”と思ったんです。ただ、その時はもう高校生だったんですね。ハロプロさんとかだと、小中学生の募集なので、地上の王道アイドルを目指すには年齢的にちょっと遅かったんですよ。なので、地下アイドルかなって。でも、親には反対されたんです。フリーだったけど、ちゃんとしたところでずっとミュージカルをやっていたし、親世代からするとやっぱり地下アイドルはマイナスなイメージが強かったと思うんです。でも、無視して勝手に応募しました(笑)。今はこうやってちゃんと活動できているので、応援してくれていますね。

——ミュージカルをやっていたから、歌って踊ることは得意だったわけですね。

むに:

ただ、ミュージカルでやっていたジャンルはバレエやジャズだったので、どちらかといえばマドメドのジャンルは得意ではなかったですね。でも、名前が“唯一むに”なので、その経験を活かして唯一無二の踊り方ができたらなと頑張っています。クールビューティ担当なので!!

ルチア:

一応、建前はね(笑)。

——(笑)。ルチアさんは?

ルチア:

私はコンカフェで働いていたんですけど、アングリラのメンバーになる子が同期にいたんです。コンカフェから数年を経て、違うバイト先でその子と再会した時に“今、アングリラっていうバンドをやってるんだ”という話を聞きまして。私、その頃地下アイドルを観に行ったりしていて、自分もアイドルや可愛いお洋服を着る仕事をしたいなと思ってたんです。それで、何も知らない事務所より、知ってる子が所属する事務所の方が安心感あるなと思って応募しました。三ヶ月の命の衣装も可愛くて、私好みだったし。

——可愛いアイドルに憧れて応募したら、全身タトゥーの人が出てきて驚きませんでしたか?

ルチア:

怖い、怖い、怪しい(笑)。

——(笑)。マドメドが始まる時はどう思いました? コンセプトや世界観を含めて。

ルチア:

うーん……正直に言っちゃうと、三ヶ月〜でやっていた曲(「らぶぎみ」「毒毒★Sweet Prayer」など)の方が私の好みではあります。可愛い系の音楽の方が好きなんです。だから今のマドメドのテーマ“メルヘン”がめっちゃ好きな刺さりゾーンですね。

堤:

彼女、前回のテーマ“ダークチャイナ”曲(「楽飴華-ハッピィキャンディチャイニィ-」「独占悦楽少女」)のような、バチバチのダンスチューンはあまり好きじゃないと思います。

ルチア:

堤さんとは真逆の音楽の好みです(笑)。

——衣装やビジュアル面はどうですか?

ルチア:

大満足してます! 好きなように衣装をデザインして作らせてもらってるし、お金をかけてもらってるので!

憑宮ルチア

本当に“楽しい、楽しい! 今日も楽しかったな”で、ここまで来ています(憑宮ルチア)

——実際にアイドル活動を始めてどうでしたか?

ルチア:

本当に未知の世界だったし、最初は不安だったんですけど、いい感じにプロデュースをしてもらって、ずっと楽しいメンタルでやれてますね。“イヤだ! やめたい!”ということもなく、本当に“楽しい、楽しい! 今日も楽しかったな”で、ここまで来ています。

——素晴らしい! 充実して活動できているんですね。当時はルチアさんとむにさん、それぞれ違うグループでしたが、お互いを認識していたのですか?

ルチア:

はい。自社イベントでよく一緒だったので。

——お互いの印象は?

ルチア:

若いなって。若いってすごいなって。

むに:

あははは! 高校生だったからね。自分、事務所的には1番先輩だけど、年齢は1番下なんで。だからみんなとの接し方がわからなかったんですよ(笑)。

ルチア:

マドメドの振り付けをしてくれてたんですよ、「MAD GAME」。それもあったし、やっぱりダンスがウマいなって。

むに:

えへへ(照笑)。

ルチア:

努力の塊ですね。ちっちゃい頃から積み上げてきた結果ですし、すごいなって思います。

——と、褒められていますが、むにさんから見たルチアさんは?

むに:

るちゃん(ルチア)はダンスも歌も未経験だったけど、ステージングの雰囲気がすごくて。ほかの人には出せない、るちゃんだけのオーラがあるなって。佇まいというか、歩くのが本当にウマいんですよね。マドメドの優雅な世界観を作ってくれているのは、かなりるちゃんのおかげだと思ってます。こんなに魔女帽が似合う人いないし!

堤:

歩き方がすごく綺麗なんですよ。エレガントな歩き方。駅とかへ迎えに行くじゃないですか。遠くから見て、歩き方だけで“あ、ルチアだ”ってわかる。姿勢がいいのか、いい歩き方なのか、とにかくお嬢さまなんですよね。

ルチア:

お母さんにはめっちゃ馬鹿にされるんですよ、歩き方が変だって(笑)。

——踊り方含めて、所作がものすごく綺麗ですよね。実際お嬢さまなんですか?

ルチア:

いえいえ、全然お嬢さまじゃないです。田舎者だし。

——意識しているんですか? 歩き方や姿勢は。

ルチア:

してないです。でも、生花とかお茶をお母さんがやらせてくれて……。

——いいとこのお嬢さまじゃないですか!

ルチア:

いやいや(笑)。子どもには手をかけてあげようっていう親の方針で、ピアノもそうなんですけど、いろいろやらせてもらってただけです。

——むにさんは、マドメドが1周年を迎える直前の2023年3月に加入しました。

むに:

三ヶ月〜が終わって、相方の子がマドメドに行って、自分は同系のキミキス(君とkissする5秒前)に行ったんです。でもマドメドに行った相方の子が卒業したんですよ。それで声をかけてもらって。ノリだったんです。マドメドが東京遠征の時に自分はたまたまプライベートで東京に来ていて。メンバーのホテルにそのまま泊まったんですけど、その時に堤さんから“マドメドに入ればいいじゃん”と言われて。“じゃあ、入ろうかな”っていう、軽いノリでした(笑)。

堤:

裏の話をすると、三ヶ月の命から、1人はマドメド、むにはキミキス、というダークと王道に分かれたんです。力の入れ方は同じだったんですけど、明らかにマドメドが伸びたんですね。でも、やめちゃったので“どうしよう?”と考えた時に、キミキスの中でパフォーマンスがとてもよく、活動に対する意識も高かったので、むにをマドメドに入れようと。もちろん本人の気持ちがあるのでノリに任せて誘ったら、本人も“やりたい”とのことだったので。

むに:

自分はゴリゴリサウンドが好きなんですよ。でも周りからは“王道顔”ってめっちゃ言われるんです。“王道顔だから王道をやった方がいいよ”って。それで三ヶ月〜で別れた時に王道をちゃんとやってみたいと思ってやったんですけど……やっぱり自分が好きなのはマドメドの曲なんですよね。なので、誘われたからOKしたんですよ。

堤:

当時は髪も染められない高校生だったし、清楚売りだったんです。マドメドは最初からみんな髪色を派手にしてキャラクター性を作っていたので、その中に黒髪の清楚の子がいたら“映える”と思ったんですよね。そういう狙いもありました。

——むにさん的にも、実際に加入したらしっくりきたと。

むに:

そうですね。やっていて楽しいのが1番デカいです、マドメドは。王道の時は単純な振りが多かったんですけど、マドメドの振りは難しい。いろんな踊り手さんに振り付けてもらったりもしてるので、ほかのアイドルさんと比べてもダントツで難しいと思います。それが自分の中ではめちゃめちゃ楽しいんです。もっと成長しなきゃって思うし。入ってよかったです。

ルチア:

キミキスのステージを観たことあるけど、王道だとむにの踊りのウマさが活かされてないなって。絶対マドメドの方がいいじゃん!って思いましたね。

憑宮ルチア、唯一むに

この5人になってから一気に遠征を増やしたんです。これなら東京で勝負できると思ったので(堤俊輔)

——むにさんが加入して、現在の5人になってから、“マドメド、始まったな”感が出ましたよね。

堤:

周りの人から“この5人で完成されてるね”とか、“5人でずっとやっていてすごいですね”って、よく言われるんすけど、いや、この5人になってからまだ1年ですよ、って。意外とメンバー変遷があるんですよ。この5人になってから一気に遠征を増やしたんです。これなら東京で勝負できると思ったので。それもあって、この1年で知名度が上がったんです。

——知名度が上がっていく中で、メンバー的にお客さんが増えてきた手応えを感じた転機はあります?

むに:

東京でウケ出したというか、マーキュロさんとの2マンライブ<双生児>はデカいかなって思いますね。

堤:

名古屋にはこういうグループがそもそもいなくて。東京にはいるから、その界隈のグループと一緒にやって、相乗効果で上がっていったという感じですね。

——私は勝手に“地雷系ロックアイドル”と呼んでいますが、負の感情を曝け出すダークな世界観を持ったアイドルが、シーンとして盛り上がっていきましたよね。そういう中で、マドメドならではの個性をどう考えています?

ルチア:

コンセプトが“狂おしいほど、依存して”なので、棲み分けはできていると思いますね。こういう雰囲気を持ったほかのグループは外に向けてというか、世の中に対するところが強いと思うんですけど、マドメドは内面的な部分が強いと思うので。

——ああ、わかります。精神的なところを突いてくるんですよね。では、“依存して”というのは、してほしいのか、してあげるのか。

むに:

“共依存”ですね、お互いが求め合っている。それがマドメドです。

——なるほど。キャッチーなメロディに乗せて、かなりヘヴィなことをさらっと歌ってますよね。

むに:

歌詞がヤバいですからね。そうそう、このあいだ2〜3歳くらいの子が、お母さんが作ってくれたメルヘンっぽい衣装を着てライブに来てくれて。囲み写メを撮ったんですよ。それがXでバズったんですけど。マドメドは歌詞がヤバいんで、2歳児に悪影響与えるんじゃないかって……。

ルチア:

メンヘラに育たないか心配……。でもそうやって、ちっちゃい子を連れてくるママさんもいて。そういう子もちゃんと推しメンがいるみたいで、“Q酸素ちゃんが好きなんだよ”って。可愛いんですよ。

——いい話ですね。メンバーのキャラクター性が2次元的でもあるから、小さい子にもわかりやすいんでしょうね。そして、やっぱり歌詞の影響力は大きいと思います。同世代の女の子が歌詞に共感や共鳴して、好きと言ってくれる。それって、これまでのアイドルにはなかったところだと思っていて。マドメドはそういう新しいアイドルの象徴だと思うんです。

ルチア:

女の子は多いですね。地雷系みたいな子も。そういう子たちは歌詞やマドメドの雰囲気を好きで来てくれますね。女の子に “可愛い”って言われると“ちゃんと可愛いんだ”と思えるんです。男の人は私のことが好きだったら何をやっても褒めてくれる感じがして。もちろんそれも嬉しいんですけど、女の子の新しいファンが“顔が好きです”と言ってくれると、“認められたー!”っていう別の嬉しさがあります、うふふ。

むに:

メンバーごとに女の子ファンの系統が違うんですよ。ありす(りあ)は本当に“ザ・地雷”みたいな子が多いし、(那月)邪夢だと赤黒ファッションのパンクな子が多い。自分はどちらかといえば、大人っぽいお姉さんな感じの子が多いですね。

堤:

確かに、むにのところには地雷の子、来んよね。

むに:

なんででしょうね。地雷の子、可愛いから大好きなのに。

——おそらく地雷の子からすると、近寄り難いんですよ。むにさん、陽キャオーラがすごいから。

ルチア:

あー、陽キャ多い! 友達ノリの女の子! 陽キャ同士、引き合ってるんだよ。マドメド唯一の陽キャだから!!

むに:

そうなのかぁ。自分のお客さんは男性でも、サウンドはマドメドが好きだけど、推しとしては清楚な子が好き、みたいな人が多いんですよ。

——よくわかります。ヴィジュアル系好きだったり、マドメドの音楽が琴線に触れるけど、アイドルとしては清楚な子が好きという男性はすごく多いと思います。そういうキャラの話でいえば、別のところでインタビューした時に、むにさんはキャラとしてのスイッチが入りやすいという話をしていましたよね。

むに:

クールビューティ担当ですから! ステージを観て、気になってあとから調べたら“この子、最年少なんだ!”と思われるくらいに大人っぽく。そういう面で目立っていこうというスイッチが自分の中にあると思います。普段はよくしゃべるし、最年少って感じなんで、えへへ(笑)。

——ルチアさんはスイッチみたいなものあります?

ルチア:

私はわりと素に近いので、スイッチが入るとかはないですけど。私もよくしゃべるし、うるさい方なんですよ、特典会とかでは。だけど、ステージだと怖い子だと思われてるというか。笑ったりレスしたりもするけど、人間らしくなくてどこか人形っぽいみたいな。とっつきにくいカッコいい感じと、可愛らしさの差を表そうと考えていますね。

むに:

人形、ドール担当!

——お嬢さまですしね。マドメドはキャラ立ちも世界観構築もすごいし、衣装も素晴らしい。今回の衣装も、メルヘンのようでストレートなメルヘンではないというか。いい意味で統一感がなく、みなさん“らしさ”全開で素敵ですよね。

ルチア:

確かに、統一感はまったくないですね(笑)。

むに:

るちゃんは最初の頃、お人形さんみたいな広がったスカートだったんですけど、<GOD SICK -ゴシック->という、TENRINさんとシュレ犬(シュレーディンガーの犬)さんと一緒にツアーを回った時(2024年1月〜3月)に、ロングスカート衣装だったんですよ。その時にメンバーが“るちゃんのロングスカートめっちゃいい!”って、言いまくったんです。

ルチア:

スタッフさんにも言われた! みんなにおだてられた(笑)。

むに:

たぶんそれで今回ロングスカートになったんです。そういう“こういう方がいいよ”っていう意見の言い合いをよくしますね。

唯一むに

詳しいライブ情報は新しくできたTimeTreeの公開カレンダーをチェックしてください!(唯一むに)

——そんな“メルヘン”をテーマにしたデジタルミニアルバム『いちばん幸せな死に方。』が6月20日にリリースされましたが、おすすめ曲はどれでしょう?

ルチア:

全曲めっちゃ好きなんですよ! どれか決められないくらい全部好き。

——では、“ここの私を聴いてほしい”ポイントはありますか?

ルチア:

「愛執迷宮ドールハウス」が落ちサビをもらった曲なので。“ドール”がタイトルについた曲なので、ドール担当としては嬉しいです。でも、本当に全部好きです。

——むにさんは?

むに:

2曲あるんですけど、「人肉アントルメ」と「東京ブラックアウト」。特に「東京ブラックアウト」のサウンドが大好き。

ルチア:

好きそう!

むに:

ボカロチックな感じ。自分はやっぱりボカロとかそっち系が好きなんで。見た目の王道に反して、変わったサウンドが好きですね。人と違ったもの、やっぱり“唯一むに”なんで! えへへ(笑)。

——マドメド楽曲は歌うのが難しいですが、今回はいつにも増して難しいですよね……。

ルチア:

最後の曲「この体の傷跡は、来世でも巡り逢うための目印」が本当に(キーが)高くて……。難しいけど、歌うのは楽しいです。

堤:

(会話を遮るように大声で)僕にもおすすめ訊いてほしいです!

ルチア:

キャハハハ! いきなり来た(笑)。

——では、プロデューサーのおすすめをお願いします。

堤:

僕はやっぱ5曲目の「この体の傷跡は〜」。

ルチア・むに:

ええーっ、意外!!

堤:

マドメドの中で1番珍しい曲調で、完全な歌モノ。音楽だけ聴いたらマドメドっぽくないと思っちゃうんですけど、歌詞にマドメドっぽさを詰め込みました。マドメドっぽくないと思いきや、ちゃんと聴いたらマドメドっぽいんだよっていうところが推しポイントです。

——マドメド楽曲はどこかしらに絶対マドメドっぽさがあるんですよね。前回のチャイナ2曲もそうでしたし、本作のリード「アリス心中」も新しいことをやりつつも要所要所にマドメド節があって、聴き終わると“マドメド全開だな”と思える。

堤:

曲の展開は大きいかもしれないですね。転調だったりリズム、テンポチェンジだったり。

——楽曲が複雑な分、歌いこなすのは相当大変ですよね。マドメド曲ならではの歌い方があると思うのですが。

むに:

自分なりに歌のアレンジをめっちゃしてるんですよ。仮歌では普通だけど、がなったり、しゃくったり、いろいろやっています。そこはマドメドだからこそ許されることだと思うので、自分の好きなようにやってますね。今回もいろいろやってるんで、じっくり聴いてほしいです。

——むにさん、曲によっていろんな歌い方をしていますよね。

むに:

最近は自分でもどれが普通の声かわからないほど、歌い方を変えすぎです(笑)。

堤:

今回ヤバい、癖がすごい。好きって言ってた「人肉アントルメ」も「東京ブラックアウト」も、とにかく癖が強い。

むに:

あははは(笑)。仮歌を聴いて、ここはちょっとアレンジした方が、カッコいいなと思って勝手にアレンジしてます。お風呂場で練習しながら。

——そういったボーカリストとしての成長も注目ポイントですね。

むに:

そうですね。三ヶ月〜の頃からすると、マジでめちゃくちゃ歌い方が変わってるし。

ルチア:

あの頃はめっちゃ可愛く歌ってましたから(笑)。

——そしてアルバムを提げたワンマンツアー<Merry BAD END>ツアーが8月にあります。どんなツアーにしたいですか?

むに:

まずは全会場ソールドアウトが1つの目標ですね。

ルチア:

新曲 5曲が一気に出たので、ライブでお客さんと一緒に楽しみ方を作っていきたいです。その5曲をお客さんと育てていけるようなツアーにしたいですね。

むに:

普段から遠征も多いので、詳しいライブ情報は新しくできたTimeTreeのMAD MEDiCiNE公開カレンダーをチェックしてください! フォローしてもらえれば、更新されたらすぐにわかります!

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