『エッシャー 不思議のヒミツ』7月13日より豊田市美術館で 奇想の天才が生み出した不思議な世界を約160点で展観

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2024年7月13日(土)より、豊田市美術館では、『エッシャー 不思議のヒミツ』が開催される。幻視的イメージや目の錯覚を利用して、あり得ない図像や不思議な世界を作り出し、幅広い層の人々を惹きつけて止まない、マウリッツ・コルネリス・エッシャー(1898-1972)。同展は、彼の初期から晩年までの作品約160点を6つのテーマにわけ、その芸術の全貌に迫る展覧会だ。

オランダのレーワルデンに生まれ、デルフトの工科学校で学んだエッシャーは、ハールレムの建築・装飾学校でアール・ヌーヴォーの版画家サミュエル・イェッスルン・ド・メスキータに認められ版画の技術を向上させる。卒業後はイタリアで修行をし、当地で初個展も開催した。同展の「第1章 デビューとイタリア」では、この時期の作品を紹介。「だまし絵」的な作品で知られるエッシャーが、極めて精緻なイタリアの風景を描いているのも新鮮だ。

《スカンノの街路、アルブルッツィ地方》 1930年、リトグラフ Maurits Collection, Italy / All M.C. Escher works © 2024 The M.C. Escher Company, Baarn, The Netherlands. All rights reserved mcescher.com

エッシャーに転機が訪れるのは1922年。スペインのグラナダ、アルハンブラ宮殿を訪れた時。無限に続くアラベスク文様にインスピレーションを得、独自の「テセレーション(敷き詰め)」(第2章)のパターンを作り上げていく。エッシャーの本格的なキャリアは、ここから始まると言っても良いだろう。

同展はこの後、「第3章 メタモルフォーゼ(変容)」「第4章 空間の構造」「第5章 幾何学的なパラドックス(逆説)」「第6章 依頼を受けて制作した作品」で構成され、エッシャーが何に関心をいだき、そこから何を目指そうとしたのかをわかりやすく紹介する。

その他、エッシャー作品の世界観を疑似体験できる体験コーナーでは、人はどのような原理で錯覚に陥るのか、その仕組みを体験しながら学ぶことができるだろう。

会期中は記念講演会などの開催が予定されている。日程などの詳細は美術館ホームページで確認を。

《婚姻の絆》 1956年、リトグラフ Maurits Collection, Italy / All M.C. Escher works © 2024 The M.C. Escher Company, Baarn, The Netherlands.All rights reserved mcescher.com

<開催概要>
企画展『エッシャー 不思議のヒミツ』

会期:2024年7月13日(土)~9月23日(月・祝)
会場:豊田市美術館
時間:10:00~17:30(入場は17:00まで)
休館日:月曜(7月15日、8月12日、9月16日、23日は開館)
料金:一般1,700円、大高1,200円
※同時開催『コレクション展 増殖とループ』

公式サイト:
https://www.museum.toyota.aichi.jp/

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