ANA青森定期便 就航10周年の大阪、札幌線とも搭乗者数過去最多 2023年度

駐機場で、青森-大阪、札幌線の就航10周年を祝う関係者=1日、青森空港

 全日本空輸(ANA)の青森-大阪(伊丹)、札幌(新千歳)両路線が1日、就航10周年を迎えた。2023年度の搭乗者数を運航初年の14年度と比較すると、大阪線は1.9倍の11万685人、札幌線は1.7倍の5万7748人に増加。同社はインバウンド(訪日客)の需要取り込みや西日本からの誘客を強化するなど、さらなる利用者増を目指す考えだ。

 青森空港管理事務所の集計によると、23年度の搭乗者数は両路線とも新型コロナウイルス感染拡大前の19年度を上回り、過去最多を記録。座席が埋まった割合を示す「搭乗率」も大阪線が過去2位の67.7%、札幌線が過去最高の54.8%となった。

 コロナ禍で落ち込んだ観光需要が回復したことが要因で、ANAの担当者は「他の路線と比較しても、青森空港の大阪、札幌線の利用は好調に推移している」と話す。

 県は1日、両路線就航10周年の記念式典を青森空港で開催。宮下宗一郎知事やANAの原雄三上席執行役員が出席した。

 原上席執行役員は「地元の協力があったからこそ、路線の需要を伸ばすことができた。外国人観光客や西日本の人にとって魅力的な観光素材が青森にはたくさんあるので、今後も誘客に向けた施策を考えていきたい」と述べた。

 ANAは1994年9月に青森-東京線に参入。一時は青森-広島、青森-名古屋線も運航したが、航空他社との競争激化などから、03年4月に東京線の運航を休止し青森空港定期便から撤退した。14年7月、同空港定期便に再就航し、青森-大阪、札幌両路線の運航を始めた。

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