アメリカ時間、6月28日〜30日（日本時間6月29日〜7月1日）、アメリカのカリフォリニア州・ベンチュラで開催された世界最高峰のアクションスポーツ国際大会『X Games VENTURA 2024』に9歳のスケーター・河上恵蒔（えま）が“男子史上最年少”で出場した。
河上恵蒔が出場した種目は、ハーフパイプ上で技を競い合う“スケートボードバート”。昨年のメダリストと予選を勝ち上がった計10名によって行われた。30秒間の一連の技を競う『Mens Skateboard Vert（メンズ スケートボード バート）』と、大技の難易度を競う『Mens Skateboard Vert Best Trick（メンズ スケートボード バート ベスト トリック）』の二種目で行われる。
河上自身、アウトドアでの大会の滑走は初となる。大会初日の『Mens Skateboard Vert（メンズ スケートボード バート）』種目では、ビーチに面しているベンチュラの会場は海風が強く、体重の軽い小柄な河上は風の影響を受け序盤から苦戦。最初の滑走では得意とする900（2回転半）に挑戦したが、スピードが出ず失敗。しかし、続く2回目のトライでは900（2回転半）に成功させ、その後もロデオミュートグラブ、キックフリップインディグラブと大技をつないだ。
世界のトップ選手たちが世界最高峰のパフォーマンスでハイスコアを出していく中でも物おじすることなく大技に挑戦する9歳の姿に会場からは大歓声があがった。
今年6月15・16日に行われた『Tony Hawk’s Vert Alert（トニーホークバートアラート）』で見せた世界初となる3回連続900に観客から期待を寄せられたが、今回は挑戦できずに終わり、結果は7位となった。
翌日の29日に行われた『Mens Skateboard Vert Best Trick』に出場した河上は、『アーリーウープ900』（回転方向と反対側に飛び出し2回転半）を2度も成功。このトリックは“X Games史上初”となり、歴史に名を刻んだ。メダルには届かなかったが、堂々の5位で大会を終えた。
大会を終えた河上は、「めっちゃ上手い選手たちと一緒に戦えたことや、自分が決めたいと思った技を決めることができてうれしかった。世界のトップ選手は滑り方とかスタンバイしている時とか全てがレベルが高いなと感じた」と話し、「今後もX Gamesに挑戦できる機会を得て今回よりも良い成績を出したい」と新たな目標を話した。
「今回のX Gamesよりももっと良い成績を出すためにめっちゃヤバい技とか、自分が絶対決めたいと思った技を決めて会場を沸かしたいので、これからも応援よろしくお願いします」とファンに応援を呼びかけた。河上にとってスケートボードスタイルや技が世界のトップに通用することを証明した“夢の舞台の初挑戦”となった。
【Mens Skateboard Vert結果】
優勝 : トム・シャー（アメリカ）92.00
2位 : 芝田 元（日本）89.66
3位 : ジミー・ウィルキンス（アメリカ）89.33
4位 : ギー・クーリ（ブラジル）85.33
5位 : ミッチー・ブルスコ（アメリカ）77.00
6位 : 猪又 湊哉（日本）68.33
7位 : 河上 恵蒔（日本）62.66
8位 : リーフ・オーランド（アメリカ）58.00
9位 : 西川 有生（日本） 49.66
10位: ロニー・ゴメス（ブラジル）48.00
【Mens Skateboard Vert Best Trick結果】
優勝 : ギー・クーリ（ブラジル）
2位 : 猪又 湊哉（日本）
3位 : エドゥアルド・ダメストイ（フランス）
4位 : トム・シャー（アメリカ）
5位 : 河上 恵蒔（日本）
6位 : ロニー・ゴメス（ブラジル）
7位 : 西川 有生（日本）
8位 : 芝田 元（日本）
9位 : ジミー・ウィルキンス（アメリカ）
10位: リーフ・オーランド（アメリカ）
11位: ミッチー・ブルスコ（アメリカ）
【河上 恵蒔】
2014年9月8日生まれ。JSF バーチカルシリーズ2023 総合1位タイで最年少王者。スケートボード界の神と呼ばれる伝説的スケーター・トニー・ホークが主催するスケートボードバート大会「Tony Hawk’s Vert Alert」で900（2回転半）を３回連続で世界で初めて成功させ6位入賞。「X Games VENTURA 2024」の出場権を獲得する 。1分間に540を8回連続で達成しギネス世界記録樹立。9歳にして世界から注目を集めるスケートボード界の逸材。
