山鳥毛と拵 9月に初の同時展示 瀬戸内・刀剣博物館 予約スタート

拵と初めて同時展示される山鳥毛

 瀬戸内市は、ともに国宝で市が所有する「太刀 無銘一文字(山鳥毛=さんちょうもう)」と、鞘(さや)など同刀の外装「拵(こしらえ)」を9月14~23日の10日間、備前長船刀剣博物館(同市長船町長船)でセットで並べる。個々には展示してきたが同時は初めて。山鳥毛の先行展示(8月24日開始)から予約制で公開し、今月2日から来場予約の受け付けを始めた。

 山鳥毛は鎌倉中期の備前刀で、山鳥の羽毛を思わせる変化に富んだ刃文が特徴。戦国武将上杉謙信の愛刀として名高い。戦国期の作とみられる鞘は黒漆塗りで鍔(つば)がなく、小柄(こづか)などに彫金で虎の精緻な装飾が施されている。

 市が山鳥毛を購入後に披露するのは5回目。新型コロナウイルス禍で展示した際、予約制にして1時間40人の人数制限を設けたが、土日を中心に混雑したため今回も同様の方法を取る。

 市の重要文化財を一堂に紹介する特別展「瀬戸内市の名宝展」(今月27日~9月23日)の一環。同館は「名刀の刀身と拵を同時に見比べられるまたとない機会」としている。

 予約は専用サイトか電話で受け付け中。問い合わせは同館(0869ー66ー7767)。

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