オフェンスの「すべてはランゲームから始まる」とパンサーズHCカナルス

カロライナ・パンサーズのデイブ・カナルスHC【NFL】

今オフシーズン、カロライナ・パンサーズはワイドレシーバー(WR)陣とオフェンシブライン(OL)の強化、ランニングバック(RB)ジョナサン・ブルックスのドラフト指名など、クオーターバック(QB)ブライス・ヤングを取り巻く状況を改善することに焦点を当ててきた。ロースターを見る限りでは問題は大きく改善されている。

先週にポッドキャスト“The Season with Peter Schrager(シーズン・ウィズ・ピーター・シュレーガー)”に出演したヘッドコーチ(HC)デイブ・カナルスは、2024年シーズンにオフェンス全体の動きを改善するためにはランゲームが重要だと指摘しており、次のようにコメントした。

「すべてはランゲームと、(ガード/G)ロバート(ハント)やダミエン(ルイス)がそこにいることから始まる。私はこのチームのバックフィールドを気に入っているからね。ジョナサン(ブルックス)の加入は才能ある選手を迎える絶好の機会だった。繰り返しになるが、選手層を厚くすること、才能ある選手や鍵となるメンバーをどんどん加えていくことが大事だ。今のロースターに挑むこと。それがまさに今季のドラフトとオフシーズンの目的だった。成功するランゲームを作り上げることに自信がある。それが他のすべての可能性を広げる」

昨季にタンパベイ・バッカニアーズで攻撃コーディネーター(OC)を務めていたカナルスは、あまり効果的でない場合でもランを使い続ける傾向があった。バッカニアーズはレギュラーシーズン中にランプレーを439回実行。これはNFLで10番目に少ない回数だが、1回あたりの平均獲得ヤードはリーグ最低の3.4ヤードだった。また、バッカニアーズは主に1人のランニングバック、ラシャード・ホワイトに依存しており、そんなホワイトは昨シーズンにNFLで2位タイのキャリー272回をマークしている。ほかにキャリー50回以上を記録したランニングバックはバッカニアーズにはいなかった。

ドラフト2巡目でブルックスを指名したことにより、カナルスHCはバックフィールドからの多彩な選択肢を手に入れている。新人のブルックス、チュバ・フバード、マイルズ・サンダース、ラヒーム・ブラックシア、ラシャード・ペニー、マイク・ブーンといった面々が、トレーニングキャンプでスナップの機会を争うことになるだろう。

ランゲームの改善は、昨シーズンに苦しんだヤングが成長する助けになるはずだ。カナルスHCはヤングにはスーパーマンのように毎スナップで何かを成し遂げるのではなく、自分の役割を果たすことを求めていると強調している。

カナルスHCはヤングについて「彼の才能にワクワクしている」と述べ、こう続けた。

「それはすべて、ドラフト評価をしていた1年以上前にわれわれが見ていたものだ。そのすべてが今もある。彼は運動神経がいいし、素早くボールを投げられる。彼はリーダーだ。コミュニケーションもうまい。必要なものをすべて持っている。だから、ブライスは自分の役割を果たしてくれれば、クオーターバックとして、11人中1人の役割を果たしてくれればいい。彼が(バスケットボールの)ポイントガードのような役割を果たして、それぞれが自分の役割を果たせば、プレッシャーを軽減できる。“君がリードしなければならない、これをやらなければならない”というプレッシャーを取り除ける。“君がすべてを背負う”なんてことはあり得ない。そんなフットボールのモデルがうまく機能して勝ったところなど、私は見たことがない。シアトルではすべてを1人(ラッセル・ウィルソン)の肩にかけなかった。だから、カロライナでもそのモデルを採用するつもりはない」

カナルスHCは昨季に2勝しかしていないチームを立て直すのが簡単なことではないことを承知しているが、指揮を執る初年度で進展を遂げるための基盤が整っていると考えている。

カナルスHCはチームのロースターについて「豊かな経験と、優れたフットボールの気質、いくつかのスポットの才能の素晴らしい組み合わせになっている。しかし、2勝15敗だったのには理由があるし、もっと才能ある選手を加えてロースターを充実させる必要がある。シアトルで何年も一緒にいた素晴らしいチームは、良いときも悪いときも選手層が厚かった。それがまさに、われわれの立っている場所だと思う。つまり、先発メンバーを確立できるのか、デプスを強化できるのか、という点だ。まだまだやるべきことはたくさんある」と語った。

【KO】

© NFLJapan.com