熱中症搬送最多ペース 福島県の郡山地方広域消防組合管内 6月末で前年同期比21人増の47人

 福島県郡山地方広域消防組合管内(郡山市、田村市、三春町、小野町)の2024(令和6)年の熱中症による救急搬送者数が、6月末で前年同期比21人増の47人になった。組合消防本部への取材で分かった。過去最多の307人だった昨年を上回るペースで、消防本部が注意を呼びかけている。

 消防本部によると、今年は気温が梅雨入り前から30度を超える日が多く、気温の変動も激しかったのが一因と考えられる。前日から急激に気温が上昇する日は、熱中症による救急要請が増えるケースも目立つ。梅雨は湿度が高い影響から汗が乾くのに時間がかかり、体の外に熱を逃がしにくくなるため、熱中症の警戒が必要だという。

 消防本部は2019年から2023年までの過去5年間で、管内の梅雨期間中の熱中症による救急統計をまとめた。15~19歳が17人(12.4%)と最も多く、次いで75~79歳と85~89歳がそれぞれ16人(11.7%)だった。

 救急要請時の場所は、住居等が最多の63人(46.0%)で、屋外公衆が18人(13.1%)、屋内公衆が13人(9.5%)と続いた。

 消防本部は、対策には風呂や無理のない運動などで汗をかき少しずつ暑さに体を慣らす「暑熱順化」や喉が乾く前の水分補給などが重要としている。屋内では風通しを良くして湿度を下げ、室内の温度が高い場合は冷房や扇風機を活用するのが効果的だという。屋外では服装で体温調節し、帽子や日がさで直射日光を遮るのが大切としている。

 消防本部広報担当の吉田武司さんは「梅雨は涼しい日もあるため、予防の意識が薄れやすい。この時期から熱中症には注意して過ごしてほしい」と話している。

(郡山版)

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