大堀相馬焼「陶吉郎窯」販売店舗開店 古里で13年ぶりに営業 福島県浪江町大堀地区

皿や器など約400点を展示・販売している店舗

 福島県浪江町大堀地区に復活した大堀相馬焼「陶吉郎窯」の商品を扱う店舗は6月30日、工房の隣に開店した。東日本大震災と東京電力福島第1原発に伴う避難を経て、13年ぶりに古里で営業を再開した。会津漆器と連携した作品など趣向を凝らした焼き物を展示・販売している。

 皿や器など約400点を展示・販売している。新たな試みとして、会津漆器の作家が大堀相馬焼の焼き物に漆で馬の絵を描いた作品も並ぶ。今後も現代的な新しい大堀相馬焼を作っていく計画だ。

 陶吉郎窯は原発事故により、いわき市に避難し、販売店も移した。古里の伝統芸能を守ろうと、いわき市と大堀の2拠点での活動を決めた。今年始めに工房をかつてと同じ場所に戻していた。

 窯元の近藤学さん(70)は「ようやくスタートラインに立てた。なりわいとしてしっかり成り立たせ、若い世代や避難している窯元を呼び込んでいきたい」と誓った。

 営業時間は午前10時から午後6時まで。火曜定休。問い合わせは近藤さんへ。

(相双版)

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