福島県の災害医療や地域医療を学ぶ アメリカから福島医大に短期留学の2人 いわきで研修、交流

いわき市の常磐病院で研修中のカミロさん(左)とコートニーさん(中央)

 米ニューヨークのマウントサイナイ医大の学生2人が福島県の福島医大に短期留学している。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故を経験した本県の災害医療や地域医療を学ぶ。

 両大の交換留学プログラムの一環で、米出身のコートニー・チャウさん(23)とコロンビア出身のカミロ・ヘルナンデス・ジョヤさん(27)が来県した。

 2人はこれまで双葉郡の自治体を訪れて震災と原発事故当時の話を住民から聞いたり、福島第1原発を視察したりした。1日から1週間ほど、いわき市の常磐病院で診療や手術を見学するほか、地元住民とも交流する予定。

 コートニーさんは友人の祖母が広島の被爆者で、日本留学に興味を持った。震災後の長期避難がもたらす健康影響やコミュニティーをどう維持してきたかが興味深いといい「海外では『福島』がひとくくりに語られがちだが、実際に来てそうでないと分かった。この経験を共有したい」と話す。

 カミロさんの母国コロンビアでも災害が多く、災害が頻発している本県で学びたかったという。「今後災害が起きた時、医師として良い対応ができるよう今回学ぶ教訓を生かしたい」と意気込んでいる。

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