鯖江市長選挙2024情勢、前回と異なる様相 告示まで3カ月、水面下で動きも

鯖江市長選挙は告示まで3カ月を切った。市政の課題は山積している=6月27日、福井県鯖江市役所

 任期満了に伴う鯖江市長選挙は2024年9月29日の告示まで3カ月を切った。現職の佐々木勝久氏(56)=熊田町=が再選を目指して立候補を表明しているが、ほかに表立った動きはなく、対抗馬は見えていない。新人3人による激戦だった2020年の前回市長選と様相は異なり、市民の関心も高まっていない。

 佐々木氏は2月21日の定例市会本会議で「鯖江の発展と市民の笑顔であふれるまちづくりに向け勇往まい進していく」と述べ、出馬表明した。機構改革と副市長2人制を打ち出し、一部市議からは「選挙を有利に運ぶための布石」と反発を招いたが、「市長が覚悟を示し、先手を打った」とみる関係者は少なくない。

 鯖江広域衛生施設組合のごみ焼却施設建て替え工事入札を巡り、市会調査特別委員会(百条委員会)で虚偽証言をしたとして市会から告発された佐々木氏らは4月末に不起訴となった。後援会関係者は「のどに引っかかっていた骨が取れた」と語る。

 佐々木氏は現職として、各種団体の会合や地域の催しを精力的に回り、座談会などで市民と対話を重ねている。6月25日の定例記者会見では「課題解決に向け(1期目の残り任期を)全力で取り組む。4年間の市政運営の評価を選挙で市民にいただけると思っている」と述べた。

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 一方、一部市議との対立が深まる中、関係者の間では対抗馬の擁立がささやかれてきた。ただ、まちづくりや県関係者の名前が浮かんでは消え、水面下の動きにとどまっている。

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