武豊がルメールに見せた最大級の敬意 レース直後のさりげない感動シーンに「やっぱ優しい」の声

武豊【写真:産経新聞社】

競馬上半期G1を振り返る

国内競馬はG1宝塚記念、Jpn1帝王賞という芝、ダートの最高峰決戦を終えて上半期が終了した。中央競馬の平地G1は勝利ジョッキーが全て違うという異例の結果。人馬ともに主役が毎回入れ替わったことから生まれたさまざまなシーンを振り返る。今回はジョッキーがレース後に見せたフェアプレーに注目。4500勝レジェンドがレース後に真っ先に優勝ジョッキーの祝福に訪れたシーンや、ダービー後に見られた親子の絆など、ファンの感動を呼んだ。

上半期の中央競馬平地G1は12レースが行われ、全て異なるジョッキーが制した。クリストフ・ルメール騎手や川田将雅騎手といったG1の常連でも1勝止まり。上半期を終えて複数のG1ジョッキーが誕生していないのは、1984年のグレード制導入以降、初めてという珍事だ。

5月19日に東京競馬場で行われたG1オークスで武豊が騎乗したスウィープフィートは直線伸びきれずに6着。勝ったのは桜花賞13着の大敗から巻き返したチェルヴィニア。鞍上のルメールの巧みなエスコートで「樫の女王」の座に就いた。ゴール板を過ぎ、ルメールが「やった~」と日本語で叫ぶ中、即座に馬を寄せ祝福したのが武。馬上で振り返りながら声をかけると、ルメールも「ありがと~」と反応した。

この様子はルメールに装着されたジョッキーカメラに映っており、レース後にJRAから公開されると「ひょっこり武豊すき」「ユタカさんかわいい」「やっぱ豊さん優しいです」「これ絶対狙ってるw」といった感動や爆笑の声が上がっていた。

レース後に勝者を称えるジョッキー。そこで“家族愛”が見られたのが5月26日の日本ダービーだった。G1皐月賞で無念の競争除外となっていたダノンデサイルがインを突き抜けて9番人気で快勝。ゴール後にアーバンシックに騎乗していた三男の横山武史騎手が近づいた。殊勲の父とグータッチすると、2人とも白い歯を見せて笑顔。そのシーンは場内のターフビジョンに映り、ファンから大歓声が上がった。

12人のG1ジョッキーの中で、初G1勝利となったのは4人。中でも上半期芝G1の最終戦となったグランプリ・宝塚記念を制したデビュー6年目の菅原明良騎手の勝利はファンを感動させた。1番人気のドウデュースが雨馬場に泣かされで着外に沈む中、菅原騎手の3番人気ブローザホーンは外ラチ沿いを突き抜けて快勝。レースを終えると、ジョッキー仲間が次々と近づいて祝福する姿が話題となった

名馬の激走とともに、ジョッキーたちのフェアプレー精神がよりクローズアップされたシーズンだった。

THE ANSWER編集部

© 株式会社Creative2