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7月3日、20年ぶりに紙幣のデザインが刷新される。
しかし1種類だけ、流通枚数が極端に少ないために対象外となった紙幣がある。沖縄県民にとっては関わりの深い「あの紙幣」だ。
▽比嘉リポーター 「日本銀行那覇支店の展示コーナーにやってきました。新しいお札の紹介コーナーには新一万円、五千円、千円と展示されていますけど…残念ながら、今回、二千円札は含まれていないんです」
守礼門が描かれた二千円札は、2000年に開催された九州・沖縄サミットを記念して発行された紙幣だ。発行初日、沖縄県内の銀行の窓口には行列ができる人気ぶりだった。
▽当時二千円札を手にした人 「これは素晴らしいですね、こんなに全面に守礼の門が出てくるとは思わなかった」「なるべく手から離さない」
県民が歓迎した二千円札。あれから24年…二千円札のデザインに採用された首里城の守礼門で、どれくらい流通しているのかシール投票を実施してみた。
ー二千円札って持っていますか?
▽兵庫県民 「持ってないです」「持ってない」
ー二千円札にどんなイメージを持っていますか?
▽兵庫県民 「使いにくい」
ー手元にあったことは?
▽観光客 「あったことはある」「大昔」
取材は難航…12人目にしてようやく持っている方に出会った。
▽千葉県民 「家にはありますね」「記念で一応持っている。なかなか使えない」
まるで過去の遺物のような扱いの二千円札。それでも記念紙幣として保管する人は少なくないようで、首里城公園内の売店でも。
ーどうして二千円札を?
▽店員 「お客さんが欲しがるから。両替で。「いつも準備していますね」
ーどういった方が…
▽店員 「修学旅行生、特に多いですね。記念に持って帰りたいみたい」「首里城が再来年できる(再建される)し、もしかしたら首里城が出来上がったら、欲しがる人多いと思いますよ」
日本銀行の統計によると、全国に出回っている二千円札は、2004年の5億枚をピークに、激減。今は9700万枚にとどまっている。これは、すでに発行が停止している旧5百円札の半分程度にすぎない。
しかしその一方で、沖縄県内での二千円札流通量は、年々右肩上がり。その理由のひとつが…
ー二千円札へのイメージは?
▽県民 「ATMで二千円札がいっぱい出てくるイメージ」
ー今持っている?
▽県民 「今さっき使ったんですけど、家にまだあります」
ー結構普段から二千円札を使用?
▽県民 「銀行でおろしたら二千円札出てくるじゃないですか。それで結構持っています」
琉球銀行では、すべてのATMに二千円札優先ボタンを設けている。
また、沖縄銀行では今年3月まで、ATMでの出金は千円札ではなく二千円札が優先される仕様だった。(4月からは「二千円札優先」ボタンを設ける仕様に変更)
県内ではこれまでにも、二千円札を普及させるために委員会を立ち上げ、企業や個人があの手この手で、様々な取り組みを行ってきた。
草の根的な活動が浸透しているのか、若い世代からも、「珍しい」とはいうものの、二千円札に好意的な意見も多く聞かれた。
ー二千円札へのイメージは?
▽高校生 「もらったらうれしい。珍しいから、ほぉ~ってなる」
「内地で進学した時に、内地の友達に自慢しようみたいな」
「内地ではあんまり使わないって言うけど、沖縄だったら普通に千円札と変わらない感じで使うイメージですね」
新紙幣の陰にかくれた二千円札。その存在に光をあて、将来につなぐのは、県民の気持ち次第かもしれない。
【取材MEMO】
今回実施した街頭インタビューでは50人中13人が、二千円札を家に保管していると回答。学生からは、お小遣いやお年玉で二千円札をもらうことも多いという声もありました。
新紙幣発行後も二千円札はこれまで同様に使用できます。この機会に、二千円札を活用してみてはいかがでしょうか。(比嘉チハル)