アダニ株空売り、ヒンデンブルグがインド規制当局の主張に反論

Urvi Dugar Shankar Ramakrishnan Jayshree P Upadhyay

[1日 ロイター] - 空売りで知られる米投資会社ヒンデンブルグ・リサーチは1日、同社が昨年、米資産運用会社と共謀して非公開情報を基にインドの財閥アダニ・グループの株式に空売りを仕掛けたとのインド証券取引委員会(SEBI)の通知書に反論した。

ヒンデンブルグによると、SEBIはヒンデンブルグ、米資産運用会社キングドン・キャピタル・マネジメント、インドのコタック・マヒンドラ銀行が設立したモーリシャス拠点のファンドなど、6つの事業体が「詐欺・不公正取引慣行防止規制」の一部のルールに違反したと主張。違反が立証された場合、罰金や不正利益の返還につながる可能性がある。

ヒンデンブルグは、SEBIの通知書は「ナンセンス」だと主張。「SEBIは自らの責任を放棄し、詐欺の被害に遭っている投資家を守るのではなく、詐欺を働いている側を守ることを優先しているように見える」と表明した。

SEBIの通知書によると、ヒンデンブルグはアダニ・グループの不正取引疑惑を指摘した報告書を公表する前に、顧客であるキングドン・キャピタルに報告書の草案を提供。これを受け、キングドン・キャピタルのオーナーであるマーク・キングドン氏がインド株の取引ができるファンドを設立し、このファンドが2023年1月10日─20日にアダニ・グループの株式を空売りした。ヒンデンブルグの報告書はその5日後に公表された。

ヒンデンブルグによると、コタック・マヒンドラ銀行が設立したモーリシャス拠点の子会社は、同社の「投資パートナー」がアダニ株を空売りするために利用したオフショアファンドを設立・監督していた。

ヒンデンブルグはキングドン・キャピタルとの関係にはコメントしていない。

インドの証券取引規則では外国人によるインド株の空売りが難しく、市場関係者の間ではアダニ株の空売りが具体的にどのように行われたのかに関心が集まっている。

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