アウディの車載システムにセレンスの生成AIを活用した「Cerence Chat Pro」導入

by 編集部:椿山和雄

2024年6月27日(現地時間) 発表

セレンスは6月27日(現地時間)、アウディが同社の車載システム「MIB 3」インフォテインメントプラットフォームを搭載したモデルから「Cerence Chat Pro」を導入開始すると発表した。最初に2021年以降のモデルにバックエンドを有効化してCerence Chat Proを導入し、さらに次期モデルにも適用するとしている。

セレンスの「Cerence Chat Pro」は、自動車に適した独自のChatGPTを統合したもので、ChatGPTの大規模言語モデルを含む多数のソースをもとに、ドライバーと同乗者が車載音声アシスタントと楽しく対話できるようにし、ほぼ全てのクエリに対して信頼性の高い適切な応答を提供するという。

アウディでは、現行モデルに対する付加価値の提供と、将来のモデルの車載アシスタント機能向上という2点にフォーカス。Cerence Chat Proは、アウディの車載アシスタントの一部として統合され、EV(電気自動車)やガソリン車に展開される新しい高性能コンピューティング・インフォテインメントプラットフォーム「HCP3」の機能を拡張するとしている。

アウディのインテリア・インフォテインメント・コネクティビティ担当バイスプレジデントのマーカス・キース(Marcus Keith)氏は、「アウディは、AIを活用したソフトウェア・デファインド・ビークル(SDV)の開発を前進させ、クラス最高の車内ユーザーエクスペリエンスの提供に深くコミットしています。セレンスとの長期的なパートナーシップを強化することで、最も適した生成AIアプリケーションを活用し、安全で楽しいドライブに必要な情報を提供してまいります」と述べている。

また、セレンスの最高収益責任者(CRO)であるクリスチャン・メンツ(Christian Mentz)氏は、「アウディおよびフォルクスワーゲングループとの提携を継続し、当社の生成AIを活用したソリューションをさらに多くのドライバーに提供できることを誇りに思います。Cerence Chat Proは、卓越したインテリジェンスでアウディの車載アシスタントを強化し、運転中の安全性、快適性、生産性を高めます」とコメントしている。

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