「殺意はなかった」母親を包丁で刺し殺人罪に問われた男 初公判で一部否認〈宮城・石巻市〉

去年6月、宮城県石巻市の自宅で母親を包丁で刺して殺害したとして、殺人の罪に問われている息子の裁判員裁判が始まり、被告は起訴内容を一部否認しました。

石巻市広渕の無職・佐藤昌喜被告(50)は去年6月7日、自宅で母親の多喜子さん(当時75)の首付近を包丁で突き刺して殺害したとして、殺人の罪に問われています。
7月2日、仙台地方裁判所で裁判員裁判が始まり、佐藤被告は「殺意はありませんでした。それ以外はその通りでした」と述べ、起訴された内容を一部否認しました。

検察は続く冒頭陳述で、佐藤被告は統合失調症を患っていて、それを理由に入院を勧めようとした母親に対し「自由を奪おうとしていると不満を高ぶらせた」と指摘。その上で、精神鑑定などの結果から「被告に完全な刑事責任能力があった」と主張しました。

一方、弁護側は当時の状況について、被告は母親を包丁で脅せば入院をやめてくれるだろうと思っていたとして、「殺意はなく犯行時は心神耗弱の状態だった」と主張しました。

判決は7月16日に言い渡されます。

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