韓国で起きた“13人死傷”の交通事故、68歳ドライバーは「車が急発進」主張も目撃者は否定

9人の死者を出した韓国の高齢者暴走運転事故で、当時の目撃談が出てきた。

7月1日、ソウル市庁駅近くの歩道では死傷者13人の交通事故が起きた。ソウル市庁近くのホテルから突然車両が飛び出し、幹線道路を逆走行し始めたという。

その後、停車していた車両に続々と追突しただけでなく、歩道に突進して歩行者にも衝突。この事故により、30代男性4人、40代男性1人、50代男性4人の計9人が亡くなり、4人が負傷(重傷1人、軽傷3人)している。

警察は車両を運転していた男性A氏(68)を現場で逮捕するも、痛みを訴えたため同乗していた60代女性とともに病院に運ばれた。飲酒運転の疑いはなく、薬物や居眠り運転も現時点では確認されていない。

A氏は車の急発進を主張したとされているが、目撃者たちからは「急発進ではなかった」などの反論が出ている。

(撮影=『スポーツソウル日本版』編集部)韓国。写真はイメージ

帰宅途中、偶然事故を目撃したというある市民は、「決して急発進ではなかった。急発進なら、ぶつかってようやく止まるが、(問題の車両は)横断歩道の前で止まった」と語る。

実際、防犯カメラの映像には、車両が事故直後に減速しながら止まり、突然の出来事に驚いた通行人が急いで避ける様子が収められていた。そのため、急発進とは見難いのではないかという指摘が出ている。

一般的に急発進車両は、道路上のガードレールなどとぶつかり、摩擦で無理やり減速するが、今回の件は少々異なる。

当時の映像をX(旧ツイッター)に投稿したあるユーザーは、「ブレーキを踏んで車を止めるのに急発進だと?」と書き込んでいる。ほかにも「ブレーキをスムーズに踏んで止めた。絶対に急発進ではない」「急発進なのにブレーキ踏んでいるのか」などと反応している。

なお、警察と消防当局は運転者と目撃者の供述などをもとに、正確な事故原因を調査している。

警察関係者は「事故の経緯と原因について、運転者の供述と防犯カメラ、ドライブレコーダーなどを通じて、迅速かつ厳正に捜査を進めるようにする」と明らかにした。

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