偽エルメス販売で3500万円荒稼ぎ、女に懲役4年6月判決 神戸地裁「虚栄心に満ちた犯行」

神戸地裁伊丹支部=伊丹市千僧1

 高級ブランド「エルメス」の偽バッグを知人らに販売して現金をだまし取るなどした詐欺と商標法違反の罪に問われていた無職の女(47)の判決公判が2日、神戸地裁伊丹支部であった。西森英司裁判官は「高級バッグを潤沢に扱える財産家の娘を装う中で犯した一連の犯行は、虚栄心に満ちた愚かなものであり、動機にくめる点は全くない」などとして懲役4年6月、罰金80万円(求刑懲役6年、罰金百万円)を言い渡した。

 判決によると、2022年3~12月、知人ら3人にエルメスのバーキンやケリーなどを販売できると偽って、川西市内などで偽のバッグを販売するなどして計3500万円をだまし取り、商標権を侵害した。

 西森裁判官は判決理由で約8カ月の間に、詐欺22件、商標法違反3件を重ねた常習性や被害額の大きさなどを指摘。一方、女が性格や生き方を反省して事実を認め、社会復帰後は弁済する意向を示していることなどを考慮した。また、長女が通っていた幼稚園の裕福な保護者らの仲間入りがしたいという思いが動機にあり、「利欲目的が主眼となるこの種の犯行ではやや特異な面がある」と述べた。

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