福岡大大濠の最速146キロ右腕、平川絢翔が7回2死まで完全投球 プロ注目の柴田獅子との両輪で聖地へ【高校野球福岡大会】

7回2死までパーフェクト投球だった福岡大大濠の平川

◆全国高校野球選手権福岡大会2回戦 福岡大大濠7―0輝翔館中教校(7回コールド)(2日、春日公園野球場)

福岡大大濠の背番号10、平川絢翔(3年)が7回2死までパーフェクトの快投を見せた。21人目の打者に初安打を中前に運ばれ、次打者の左翼線二塁打で2死二、三塁のピンチを招いたが、最後の打者を三振に仕留めて7回を2安打零封した。

「打たれたのは真っすぐ。悔しかった」と試合後も笑顔はなかったが、無四球で投げきった84球を振り返って「四球を出さなかったのは成長したかなと思います」と収穫も口にした。

プロ注目のエース柴田獅子(同)との両輪で、ともに最速146キロを誇る。「柴田がすごいので負けないように頑張っています」と普段の練習からライバルを意識している。オフのポール間走も柴田より1本でも多く走る意識で負けない努力をしてきた。

夏初戦の先発を託した八木啓伸監督は「平川の先発は試合の朝に決めました。この1週間、勢いのある球を投げて調子が良かったので」と明かす。その信頼に結果で応えることができた。

「初戦で投げて、チームに勢いをつけたかった」。平川も夏初戦に強い思いがあった、昨夏は敗退した星琳との4回戦に2番手で登板して3失点(自責2)。1死しか取れず、わずか10球でマウンドを降り、試合後は野球で初めて涙した。「あの試合が忘れられないです」。この1年間、常に悔しさが胸にあった。

甲子園への戦いは始まったばかり。「チームで一丸になること。それが大事かなと思います」と平川は優勝に必要なことを挙げた。柴田とのダブルエースであと6度、みんなで校歌を歌う。(前田泰子)

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