《解説》群馬・甘楽町長選 豊富な行政経験、手腕に信任

 5期目の現職、茂原荘一氏の事実上の後継として出馬した前副町長、森平仁志氏が無投票当選を決めた。20年に及ぶ茂原町政と補佐役を務めた森平氏の手腕に、町民が一定の信任を与えた形と言える。

 森平氏は町企画課長だった2016年、茂原氏の要請で副町長に就任。23年の上信越道甘楽スマートインターチェンジ(IC)開通や有機農業を推進する「オーガニックビレッジ宣言」をはじめ数々の事業に携わってきた。

 ICは周辺の工業団地拡張や公園整備などを通じて商工業や観光振興の起爆剤とする構想で、有機農業の推進も宣言に基づく本格的な取り組みはこれから。まずは始まったばかりの両事業を軌道に乗せることが課題となりそうだ。

 町人口は24年3月末時点で1万2468人と、1999年のピーク時から2割ほど減った。人口減少対策は急務で、企業誘致などにより転入者を増やしていく必要がある。

 選対組織には地元選出の国会議員や県議の後援会関係者が名を連ね、ほぼ全ての町議が応援に回って「オール甘楽」の様相を見せた。豊富な行政経験を生かして課題解決の糸口を見いだし、こうした支持や町民の期待に応えてほしい。

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