20年ぶり新紙幣 3日スタート 券売機の部品交換待ちも

飲食店が券売機の切り替えなど、新しい紙幣の対応に追われています。

真珠のネックレスやピアスも1万円。
数の子やウナギなどの詰め合わせ品も1万円。

松坂屋上野店が開催している『ありがとう諭吉セール』。
40年にわたり親しまれてきた福沢諭吉に感謝の意味を込めたセールです。

いよいよ3日から流通する新紙幣。
1万円札は実業家の渋沢栄一、5千円札は津田塾大学創始者の津田梅子、そして千円札は近代日本医学の父・北里柴三郎の肖像画がデザインされています。

新1万円札の顔となる渋沢栄一の出身地、埼玉県では、国産ヒノキで作った新1万円札を模した板が合わせて100枚浮かべられた、その名も「渋沢栄一100万円お札風呂」があります。

おふろcafe ハレニワの湯・高久遥香副支配人は「せっかくなら夢のある、普段なかなか100万円は持てないじゃないですか。それを気持ちだけでも豪勢にお風呂をぜいたくに入ってもらえれば」と話します。

20年ぶりとなる紙幣の刷新に、飲食店などは対応に追われています。

中華料理店「四川屋台」は新紙幣対応に何とか間に合ったというが、オーナーの峰彰男さんは「肉が高くてね。肉が例えば売り上げの2割近くまで使っちゃうとか本当に大変なんですよ」と新たな悩みを抱えていました。

新たな券売機の購入などにかかった経費は230万円ほど。
材料費の高騰も追い打ちをかけ、やむを得ず2年間据え置いてきた全メニューの値上げに踏み切りました。

一方、ラーメン店「麺屋藤しろ」では券売機の購入が高額なため部品交換で対応をしようと決断。

しかし、部品交換には3カ月かかるとのことで、やむを得ず、当面は両替を手作業で対応することにしました。

麺屋藤しろ店主・工藤泰昭さんは「券売機、実際改造しなければ新紙幣が使えない状態。(改造は)業者さんの方が間に合わない感じ」と話しました。

業界団体によると、3日の時点で新紙幣に対応している銀行のATMは全体の9割以上。

一方で、飲食店の券売機は5割、ドリンクの自販機は2割から3割にとどまっています。

期待と困惑が入りまじる紙幣刷新。
大手メガバンク3行では、原則4日から両替で新紙幣を手に入れることができるそうです。

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