「ファンは彼の到着に期待すべき」クリスタル・パレス入団決定の鎌田大地の活躍にクラブ専門メディアが太鼓判!「非常に多才な選手」

日本代表MFの鎌田大地がイングランド・プレミアリーグのクリスタル・パレスと2年契約を結んだことを、クラブが7月1日に発表した。

一時は残留確実とされていたラツィオとの交渉破談以降、新天地の最有力候補とされていたロンドンのクラブ行きが正式決定した鎌田は、クラブの公式サイトを通して「クリスタル・パレスに加入し、よく知っているオリバー・グラスナー監督と再び働けることを楽しみにしています。プレミアリーグで自分を試し、クラブとともに目標を達成できればと思います」と声明を発し、世界最高峰リーグでのプレー、フランクフルト時代のボスとの共闘に期待を示している。

これに対し、パレスのスティーブ・パリッシュ会長は「ダイチは本当に並外れた才能の持ち主だ。彼はこの数シーズン、欧州で最も優れた攻撃的MFのひとりであり、その経験、技術力、献身性は、才能豊かな我々のチームにとって素晴らしい補強である。彼が多くの選択肢の中からパレスを選んでくれたことを嬉しく思う。パレスのファンは、今後数週間、数か月、そして数年間、セルハースト・パークで彼のプレーを観戦するのを楽しみにしてくれると確信している」と、新戦力を大歓迎した。
クラブの公式サイトは、以前から話題となっている鎌田の歴代所属クラブ(サガン鳥栖、フランクフルト、シント=トロイデン、ラツィオ)全てが「鳥」をエンブレムにしていることを紹介し、同じく「鷲」を採用しているパレスにおいて「彼はセルハースト・パークで『イーグルス』の大合唱を聞くチャンスを得た」と記述。また、そのキャリアをターニングポイントごとに振り返り、「彼の将来はサウスロンドンにある」と締めている。

現地メディアの報道では、英国公共放送『BBC』が「鎌田は元恩師のグラスナー監督とロンドンで再会することとなった」と伝え、ドイツのスポーツ紙『Kicker』は「鎌田はラツィオで最高の時間を過ごせなかったため、契約延長のオプションを放棄。そしてグラスナー監督が彼をパレスに連れてきた」と綴った。

そしてイタリアのスポーツ紙『Corriere dello Sport』は、「鎌田はラツィオでの目立たないシーズンの最後の数か月間だけイゴール・トゥドール監督の下で力を発揮できたが、新契約にはサインせず、パレスにとっては、モロッコ代表DFシャディ・リアド(ベティスから)に続く今夏2人目の補強となった」と、昨季についても言及している。
一方、クラブ専門サイト『WE ARE PALACE』は「27歳の彼は、キャリアのピークに近づく中でトップレベルの経験を豊富に持っており、パレスはこれを活かし、プレミアリーグ残留だけでなく、さらに上を目指せることを期待している。フランクフルトで彼とともにヨーロッパリーグを制覇したグラスナー監督は、『イーグルス』の新たなスターから最高のパフォーマンスを引き出す方法を知っている」とポジティブな展望を示し、以下のようにこの日本人選手への期待を示した。

「新加入選手がチームにどうフィットするかを予測するのは難しいことが多いが、鎌田の場合は理解しやすい。フランクフルト時代、彼はグラスナー監督の下で攻撃的なMFの役割を果たしたが、そこではスペースを見つけることが特に優れていた。この能力はチームにとって非常に貴重であり、しばしば他の選手が自由に動けるエリアを作り出す」

「また、鎌田は両足を自在に使いこなせるため、相手DFに次の動きを予測させないという強みもある。ドリブルやチャンスを創出する能力を併せ持つこのMFは、グラスナー監督のプランにおいて重要なパートを担うことになるだろう」
同じくクラブ専門サイト『tpw』も、鎌田について「彼の最大の強みは、ライン間のスペースを見つける能力だ。彼は両足を使いこなせるため、狭いエリアでも余裕を持ってボールを受けることができ、相手選手を引きつけることができる。トゥドール監督の下では前線の右側で起用されたが、鎌田自身は左側でプレーするのを好む」と、こちらも同様の見解を示し、以下のように続けた。

「ファイナルサードでは効果的に動くため、意図的にランを遅らせて相手DFのマークを外し、スペースを生み出す動きを見せる。また彼はシュートが上手く、狭いエリアや鋭い角度からでも多くのゴールを決められる。さらに、ボールを半回転しながら受けるのが得意であり、そこから長距離をドリブルで突き進む技術も有している」

そして、鎌田がパレスにフィットするかどうかも気になるところだが、同メディアは「その多様性により、彼は様々なポジションで活躍できるだろう。前線のオプションとしてだけでなく、中盤でより深い位置に下がって試合を組み立てる役割も果たせる」と称賛し、この新戦力の活躍に太鼓判を押している。

「パレスのファンは、鎌田の到着に期待すべきだ。彼は非常に多才な選手であり、複数のポジションで深み、ローテーション、競争力を提供できる。グラスナー監督はすでにドイツで彼から最高のプレーを引き出すことに成功しており、今回も鎌田がスムーズに適応するためのプランをすでに立てていることだろう」

構成●THE DIGEST編集部

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