ECB、年内あと1回の利下げで十分=アイルランド中銀総裁

Francesco Canepa Balazs Koranyi

[シントラ(ポルトガル) 2日 ロイター] - 欧州中央銀行(ECB)理事会メンバーのマクルーフ・アイルランド中銀総裁は2日、ユーロ圏のインフレ率がECBが目標とする2%に向かっているとの確信を得るにはさらに時間が必要とし、年内にあと1回の利下げを実施するだけで十分との考えを示した。

欧州連合(EU)統計局発表の6月のユーロ圏消費者物価指数(HICP)上昇率(速報値)は前年比2.5%と、5月の2.6%から小幅に鈍化。これを受け、市場が予想するECBによる年内の利下げ回数はあと1─2回となった。

マクルーフ氏はECB主催の会合が開かれているポルトガルのシントラでロイターのインタビューに応じ、金利は最終的には低下するとしながらも、慎重な姿勢を表明。「あと1回の利下げが実施されるとの予想に満足している」とし、「可能性を否定するつもりはないが、(次回理事会が開かれる)7月初めの利下げはおそらく行き過ぎだ」と述べた。

その上で、6月のユーロ圏HICPで「われわれが進んでいる方向が裏付けられた」としながらも、サービス部門のインフレ率が高止まりしていることが引き続き「最大の焦点」になると言及。持続可能な形で2%のインフレ目標が達成されれば、金利は現在よりも低くなると予想しているとし、「どの程度のペースで進むか、最終的にどうなるかは状況次第になる」と語った。

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