【七夕賞】去勢明け2戦目を迎えるフェーングロッテン 3歳時重賞初制覇の地で完全復活を狙う 気性落ち着き馬体も良化

 得意の福島で完全復活を狙うフェーングロッテン(撮影・石湯恒介)

 「七夕賞・G3」(7日、福島)

 良血馬フェーングロッテンが、重賞初制覇を果たした福島で完全復活を狙う。昨年のこのレースで14着に敗れて以降は不振に陥っていたものの、昨年末に去勢を行い、前走の小倉大賞典では見せ場十分の5着。復調ムードが漂うここで、久々に重賞Vをつかむ。

 タイトル奪取の地で目覚める。去勢明け2戦目を迎えるフェーングロッテン。その初戦は2番手から運び、5着と久しぶりに“らしさ”をのぞかせた。道中でカラ馬に絡まれる場面もあっただけに、宮本師は「気難しい面を出さなかったし、去勢した効果があったかな。ちょっと兆しを見せてくれた」と納得の表情を浮かべる。

 3歳時にはオープンの白百合Sを勝ち、勢いそのままにラジオNIKKEI賞で重賞初制覇。その後も古馬相手の新潟記念で3着、4歳になってからも金鯱賞に鳴尾記念の連続2着など、重賞の上位常連だった。

 ただ、昨年の七夕賞からは気の難しさを見せ、3戦連続の2桁着順と成績が急降下。陣営は去勢することを決断した。騸馬になるとホルモンバランスが変わり、筋肉の質が変化すると言われるが、師は「いい体をしているよ。去勢したからか、馬体が良くなっている」とうなずく。

 また、去勢は即効性よりも、レースを使いつつ上昇するのが特徴で、「そういう意味でも今回は楽しみ。久々だけど、中間の感じは悪くないから」とトレーナー。「自分のペースで行ってもらうだけやね。ラジオNIKKEI賞で、自分のペースで運んで差してきた競馬場だから。もっとやれると思う」と重賞勝ちした福島コースに期待を膨らませる。トップハンデタイの58キロは実力を認められた証し。みちのく重賞で復活だ。

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