「ふるさと納税」で得する夏旅16選!小樽でデイクルーズ、横浜中華街で点心づくしも

(写真:アフロ)

2023年度のふるさと納税寄付額は、全国で1兆円を超える見通しだ。

2022年度の納税寄付額は約9千654億円だったが、その66%を占める自治体への調査で、約15%の増収が明らかになったからだ(日経グローカル調べ)。

制度が始まった2008年には約81億円だったふるさと納税は、15年間で寄付額を123倍超に広げた。

「ふるさと納税を知らない人がいないくらい。毎年必ず行うというヘビーユーザーも多いです」

そう話すのは、ふるさと納税に詳しい節約アドバイザーの和田由貴さん。皆さんの返礼品は?

「以前からずっと肉や魚介類、果物といった食品が大人気ですが、何か違うもの、新しいものを求める声もよく聞きます」(和田さん、以下同)

ふるさと納税サイトを運営するトラストバンクによると、カテゴリー別寄付金額ランキングの上位はほとんど食品。そんななか2023年の注目は6位の「旅行」と、10位に初登場した「イベントやチケット等」だという。和田さんも「最近、私が選ぶ返礼品は旅行券や食事券などチケットものばかり」だそう。

確かに、食品が一度にたくさん届くと食べきれない、冷蔵庫に入らないなど困ることもある。

「チケットなら腐らないし、有効期限も半年~1年あるのでゆっくり使えます。かさばらないので保管場所の問題もない。それに『返礼品のチケットがあるから』と出かけてみた旅先が思った以上に楽しくて、はまっています」

和田さんに万円以下の寄付でもらえる旅行やイベント、体験チケットのおすすめ返礼品を教えてもらった。

「宿泊券は寄付額がかさみますが、イベントや体験チケットなどは3万円以下の寄付でも十分。旅先で使えるものを選ぶのも◎です」

■有効期限や「繁忙期は除く」など条件を要確認

暑い夏は北海道に旅行して「小樽運河デイクルーズ」で清涼感を味わいたい。石川県に行って、名産の九谷焼を見るだけでなく「陶芸体験」をすると、心に深く刻まれるだろう。 東京のホテルランチを満喫した後、スカイツリーの展望デッキから眺望を楽しんだり、横浜中華街で飲茶ランチを堪能したり。近場なのに行ったことがない場所をねらうのもおすすめだ。

「これからの季節、花火大会の観覧チケットもいいのでは。座席を確保できる点も安心です」 表で紹介した「ぎふ長良川花火大会」以外にも全国に花火大会はたくさんある。ただし、花火大会は開催日が決まっているので、場所と日程をよく確認して。悪天候で延期になることも考慮しよう。

「今ねらっているのはアフタヌーンティーです。ふだんは高価で手が出ませんが、そういうものこそ返礼品のありがたみを感じます」

京都を着物で歩いたり、広島を電動アシスト自転車でツアーしたり、長崎でイルカにも会いたい。

楽しさ満載のチケット返礼品だが、選ぶうえで注意することは?

「有効期限は半年~1年が多く余裕がありますが、忘れるともったいない。早めの予約を心がけて」 また、「土日祝日は利用不可」「繁忙期は除く」など条件があるものも。ふるさと納税サイトにある注意事項をしっかり読んでおこう。

「たとえば3万円を超えるふるさと納税で宿泊券を選ぶ場合でも、私は旅行代理店が発行する『宿泊券〇万円分』は避けたほうがいいと思います。代理店経由だとホテルに直接予約するより宿泊料が割高になるので、あらかじめ考えていた予算では足りなくなった経験があるからです。宿泊券は、ホテル発行のものを選びましょう」

さらに、ふるさと納税の返礼品は、届くまで時間がかかるケースもある。余裕をもって計画し、ふるさと納税はお早めに。

注意ポイントを守って、ふるさと納税の返礼品で、お得で楽しい新体験がいっぱいの夏旅にしよう。

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