水戸のウメ 魅力紹介 「烈公梅」や「月影」63種 市植物公園パネル展 茨城

水戸市植物公園のウメを紹介するパネルに見入る来場者=同市小吹町

茨城県の水戸市植物公園と偕楽園のウメが「水戸のウメ」として日本植物園協会(東京)のナショナルコレクションに認定されたことを受け、同市小吹町の同植物公園でウメのパネル展が開かれている。認定された130品種のうち、半数近い63種の写真を並べ、花やがく、色で多種多様な違いを持つウメの魅力について紹介している。8月25日まで。

ナショナルコレクションは、国内で栽培する貴重な種を「植物の文化遺産」として同協会が認定する制度。2017年から始まり、水戸のウメは第20号として今年3月に認定された。江戸時代から栽培され続けた古典的な品種や、水戸ならではの貴重な品種があることが評価された。

パネル展は同公園の多目的室で開催。それぞれのウメを読み方、園芸での分類、咲き方、花の色、備考と分け、備考は特に個性について書き込んでいる。偕楽園を開いた水戸藩9代藩主徳川斉昭の贈り名にちなんだ「烈公梅」のほか、早咲きの「白難波(なにわ)」、池に映った月を思わせる花形をした「月影」など、特に花の形、香り、色づきが優れるとされる「水戸の六名木」をまず紹介している。

他に「内裏」は深紅のぼかしが花の美しさを引き立てている、紅白で色を咲き分ける「輪違い」は、人気種で別名で「思いのまま」がある、などとそれぞれの魅力を伝えている。

他にナショナルコレクションの紹介や認定を紹介したパンフレット、「刺繍(ししゅう)アトリエ ムルク」(水戸市)が制作した六名木の刺しゅう作品、六名木のアクリル標本、5月下旬に開かれた同協会第59回大会に合わせ、同公園に秋篠宮さまが視察された際に寄贈された一輪挿し、植物学者・牧野富太郎直筆の百樹園(同市元吉田町)の看板なども並べている。

西川綾子園長は「ウメそれぞれの特徴について分かる人は少ないように思う。展示をきっかけに品種に注目してもらえれば」と話している。月曜休園。同公園(電)029(243)9311。

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