長崎FIFA提訴も賠償金支払いは?カリーレ監督、2部サントスから個人昇格か

ファビオ・カリーレ監督 写真:Getty Images

V・ファーレン長崎から二重契約問題で訴えられているファビオ・カリーレは、今もなおブラジル2部サントスを指揮。MFディエゴ・ピトゥカ(元鹿島アントラーズ)、MFジョアン・シミッチ(元名古屋グランパス、川崎フロンターレ)らを指導しているが、ここに来て個人昇格の可能性が浮上。同国1部コリンチャンスがカリーレの招へいを狙っているという。

カリーレは2023シーズンまで長崎を率いると、同シーズン終了後に契約更新。しかし、長崎の契約更新発表直後にサントス指揮官に就任したことで、日本のサッカーファンから批判を浴びている。

サントスは今季ここまでブラジル2部リーグで7勝1分5敗と、昇格圏の2位に。しかし米メディア『ESPN』は先月27日に「サントス幹部とカリーレ監督の関係は以前ほど近いものではない。指揮官は幹部からの支持を得られなくなった」と不仲説を伝えている。

元長崎指揮官の去就が不透明とみられる中、ブラジルメディア『グローボ』は今月2日に「コリンチャンスはカリーレをターゲットにしている。交渉を進めるためにサントスに承認を求めている」とリポート。コリンチャンスは今季ブラジル1部リーグで19位に低迷する中、2日にアントニオ・オリヴェイラ監督を解任しているが、現時点でサントスに正式オファーを提示していないという。

また、カリーレ監督とサントスの契約は今年12月まで残っており、今季途中で解任の場合には200万レアル(約5800万円)の違約金が発生するとのこと。記事では「違約金の額に関係なく、コリンチャンスはサントスがカリーレ監督の放出を承諾した場合のみ、監督サイドとの交渉を進める」と綴られている。

なおカリーレ監督は今年3月、ブラジルメディア『SporTV』のインタビューに応じた際、長崎の国際サッカー連盟(FIFA)提訴に言及。「両クラブの幹部は、10日間にわたり交渉した。だから、サントスは(私と長崎の)契約内容を把握しているはずだ。私も一部の会議に出席した。だが会議出席後、サントスと私の代理人はトレーニングのことについて心配するよう促してきたんだ。その時の書類も手元にある」とクラブ側の対応を問題視したほか、「この問題が、短期間ですべて解説することを願うばかりだ。違約金は存在するし、誰かが支払わなければならない。その違約金の支払いが私でないことを願っている」と責任逃れと解釈可能なコメントを残している。

© フットボール・トライブ株式会社