レッドブルF1の内紛に失望するマックス・フェルスタッペン。父親ヨスを擁護し問題終結を望む

　レッドブルのマックス・フェルスタッペンは、2024年F1第11戦オーストリアGPで問題となっている父親のヨス・フェルスタッペンと、チーム代表のクリスチャン・ホーナーのあいだで発生した口論に“失望”を表明し、この問題は「良くないこと」で「避けられた」ものだと述べた。

　三度のF1ワールドチャンピオンであるマックスは、父親ヨスとホーナー代表とのあいだでふたたび発生した口論について、オーストリアGPスプリントで勝利した後、メディアからこの対立への質問を受けた。

　ただ、その場でマックスが父親ヨスを擁護したことで、レッドブル陣営内の緊張が浮き彫りになった。

　今回の口論は、ヨスがオーストリアGPで行われるレジェンドパレードへの参加を、ホーナーが妨害しようとしていると非難したことで表面化した。

　ホーナーは金曜日のFIA（国際自動車連盟）記者会見で、2012年型レッドブルRB8に乗る予定だったヨスのパレード参加を拒否したことを否定した。

　しかし、その後にヨスの「最終的にパレード参加を辞退した」という言葉に対するホーナーのコメントは、ヨスに対する明らかな不満をほのめかすものだった。

　ホーナーは、メルセデスF1がマックスの獲得を追い求めていることに触れ、マックスがメルセデスに不適格なら、ヨスだったら参加できるかもしれないと嘲笑した。

　マックスは、父親とホーナーのあいだに燻り続ける悪感情に失望し「これは不必要な混乱だ」と父親ヨスを擁護した。

「もちろん、こういった問題は起こってほしくないものだ。僕にとっても、父にとっても、クリスチャン（・ホーナー）にとっても、そしてチームにとってもいいことではない」

「もちろん父の意見も理解できる。結局のところ、父はクルマを運転するように頼まれたけど、運転したくないという理由をかなり明確にしていたと思うからね」

「実際、父はクルマを運転することには興味ないけど『ファンのためにやってくれないか。オランダのファンのために、ホームコースのレッドブルのために』と頼まれたんだ。だから、僕は父を理解しているよ」

「でも、このシナリオは避けることができたはずだ。そして、もちろん僕はパフォーマンス面に集中するためにここにいるから、全員といい関係を築きたいんだ」

　オーストリアGPのはじめには、レッドブルのモータースポーツコンサルタントを務めるヘルムート・マルコが、レッドブルにとってマクラーレンが深刻な脅威になりつつあるというマックスの懸念に同調し、レースに完全集中して「些細なこと」は忘れる必要があると強調した。

　この状況は、マックスはポジティブなチーム環境を維持したいと考えているが、父親がホーナーに軽視されたと感じているのは明らかだろう。

　果たしてマックスはこのドラマから身を守り、チャンピオンシップのリードを保つことができるのか。それともレッドブルの内紛が引き続き悩みの種になってしまうのか。

　そしてメルセデスF1代表のトト・ウォルフは、今回の事態をふたたび注意深く観察しているという。