小池栄子・仲野太賀『新宿野戦病院』期待できる『ふてほど』レベル社会現象 そろったクドカン『IWGP』方式

※画像はフジテレビドラマ『新宿野戦病院』公式Xより『@shinjyuku_yasen』

小池栄子(43)と仲野太賀(31)がダブル主演する連続ドラマ『新宿野戦病院』(フジテレビ系/水曜よる10時)が、7月5日にスタートする。脚本を担当する“クドカン”こと宮藤官九郎(53)は、今年1月期の『不適切にもほどがある!(ふてほど)』(TBS系)ではコンプラ問題を扱って社会現象となったが、それに続けるだろうか。

同ドラマは、アメリカ国籍で元軍医のヨウコ・ニシ・フリーマン(小池)と美容皮膚科医の高峰享(仲野)が、新宿・歌舞伎町の病院を舞台に、さまざまな悩みや問題を抱えながらも人生を強く生きる人たち・仲間・家族を通して、“命”の尊さを投げかける新たな救急医療エンターテインメント。

ダブル主演を務める仲野は、2016年放送のクドカン脚本作『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)でゆとりモンスター・山岸ひろむを演じて頭角を現し、最近では『いちばんすきな花』(フジテレビ系)、NHK朝ドラ『虎に翼』に出演。26年度のNHK大河ドラマ『豊臣兄弟!』で主演も決まり絶好調だ。

一方、小池も、22年度の大河ドラマ『鎌倉殿の13人』で北条政子を演じて存在感を発揮。また、令和のホームドラマだと話題になった、昨年10月期『コタツがない家』(日本テレビ系)に主演すると、3人のダメ男に対峙するナチュラルな演技が好評だった。そんな盤石のキャストだが、それ以上に期待できる点がある。

「新宿・歌舞伎町を舞台にしているところが、池袋を舞台にした00年放送のクドカン脚本作『池袋ウエストゲートパーク(IWGP)』(TBS系)を彷彿とさせます。実際にクドカンは、『IWGP』の池袋と同様に歌舞伎町におもむいてから制作に挑んだそうで、『IWGP』のようなリアルな描写が期待できます」(ドラマライター/ヤマカワ)

■『ブルーモーメント』に続けるか

物語に登場するのは、ホストやキャバ嬢、ホームレス、トー横キッズ、外国人難民など、さまざまなバックボーンを持つ“ワケあり”な人物だち。クドカンは本作に関するインタビューで「怒られるだろうなと思いながらやっている」と明かしており、『ふてほど』同様、現代社会に切りこむ刺激的な内容になりそうだ。

「それに追い風になるのが、水曜10時という放送枠です。日本テレビがドラマから撤退し、ライバルは事実上、『水曜日のダウンタウン』(TBS系)だけ。前期放送の『ブルーモーメント』はその影響もあり、全話平均視聴率が6.7%(すべてビデオリサーチ調べ/関東地区)と、最近の同枠ドラマの中では、いい数字を残しましたが、『新宿野戦病院』もそれに続きそうです」(前同)

日本テレビで同枠放送中の『世界頂グルメ』は、「食を入口にその国を知り、食の力で世界とつながる番組」をコンセプトに、異国で愛され地元メシ“世界頂グルメ”を調査・紹介するという内容だが、平均世帯視聴率が4%台と満足のいく数字を残せていない。ドラマの勢いに状況的な有利さが加わり、『ふてほど』レベルのヒットもありそうだ。

笑いあり涙ありのヒューマンエンタメを作らせたら、随一の脚本家である宮藤官九郎。共演陣も、橋本愛(28)、濱田岳(35)、柄本明(75)、余貴美子(68)らとクセモノの演技派揃いで、夏ドラマの注目作品になるのは間違いないだろう。

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