フォロワー倍増の23歳、一度はゴルフを辞めた政田夢乃の5年間 単身千葉から再起「全部が辛かった」

政田夢乃【写真:Getty Images】

4日からミネベアミツミレディスが開幕

女子ゴルフの国内ツアー・ミネベアミツミレディスが4日から4日間、北海道・真駒内CC空沼C(6667ヤード、パー72)で行われる。ルーキーの政田夢乃(なないろ生命)は、第1回リランキングで30位となり、出場権を獲得した後半戦で2戦連続の決勝ラウンド進出を果たすなど奮闘中。5度目のプロテストで合格した苦労人が「全部辛かった」と振り返る5年間について聞いた。

ルーキーシーズンはここまで4戦中3度予選を通過。「大変さも感じているけど、楽しい気持ちの方が大きい」。あどけない笑顔を見せる23歳には、高い壁に跳ね返され続けた苦悩の5年間がある。

2019年に初受験したプロテストは、1打差で合格を逃した。次こそは――。意気込んだ2度目の挑戦はまさかの2次敗退だった。

「もちろん5年間全部だけど、この時が一番辛かった」

練習環境を変えたことで手首を負傷。何もかもが上手くいかなくなっていた。「ゴルフをやりたくなかったし、もう辞めている感じだった」。全てが嫌になり、一度はクラブを完全に置いた。

地元・札幌の実家で何もしない日々。何をしようか考えがまとまらないまま2か月が経過した。転機になったのは、打診されたマイナビ ネクストヒロインゴルフツアーに出場したこと。プロの舞台を夢見る選手たちとプレー。「私みたいな人も、みんな頑張っているんだ」。燃え尽きたと思っていた闘志が蘇ってきた。

再起の場所として、縁もゆかりもない千葉に単身で飛んだ。整った環境が魅力だった。高校卒業後に研修生として稼いだ資金や賞金をやりくりし、ゴルフ漬けの日々。4度目の受験となった22年のプロテストは、最終日に崩れて不合格。それでも諦める選択肢はなく、23年の最終プロテストで15位となり遂に合格。夢を叶えた。

合格後、SNSフォロワーは倍増「1試合でも多く優勝や上位で争えたら」

合格率3%と言われる女子ゴルフの難関プロテスト。シビアな世界で支えになったのは仲間の存在に他ならない。

「友達の存在が一番。JLPGAのツアーで優勝していたり、合格していない人もみんな頑張っていて、両方励みになっていた」

古江彩佳、西村優菜、吉田優利らと同じ2000年生まれの“プラチナ世代”。遅れはしたがようやくプロになった。今季は最終予選会(QT)は147位で前半戦の出場権を逃したが、推薦で出場した5月のリゾートトラストレディスで8位に入るなど、勝負強さを発揮。出場4戦ながらリランキング30位につけた。

インスタグラムのフォロワーはプロテスト合格後、約2万人の倍増で3.8万人に。応援の声も増えている。「突き進むだけ。1試合でも多く優勝や上位で争えたら」。苦労を多く経験してきたからこそ、恐れることは何もない。

THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂 / Kaho Yamanobe

© 株式会社Creative2