18打席ぶり安打の阪神・近本は本来の打撃に戻った ポイントは直前の右翼ポール際へ放った大ファウル 評論家が指摘

 10回、左越えに適時二塁打を放つ近本(撮影・市尻達拡)

 「広島0-3阪神」(2日、マツダスタジアム)

 阪神・近本光司外野手(29)が1点リードの延長十回に自身18打席ぶりの安打となる左越えタイムリー二塁打を放ち、勝利に貢献した。デイリースポーツ評論家の藤田平氏は「本来の打撃に戻った」と評価。ポイントに「タイムリーを打つ直前。右翼ポール際へ放った大ファウル」を挙げた。

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 もう大丈夫だ。近本は本来の打撃に戻ったと言っていい。ポイントとなった1球はタイムリーを打つ直前。延長十回の打席の2球目で右翼ポール際へ放った大ファウルだ。

 この場面の近本はチェンジアップに対してタメを作りながらタイミングを取り反応できていた。この『間』が近本本来のバッティング。この感覚こそが、近本に自分の打撃感覚を呼び覚ましたと言えるだろう。そして5球目の直球を捉えるタイムリーへつながった。

 不振期間中は、彼自身の『ストライクゾーン』にズレが生じていたような印象を受ける。4番の打順を打った影響はないだろう。だが、ボール球に手を出してしまって、自ら相手バッテリーのストライクゾーンを広げてしまうなど、自分で自分の首を絞めてしまうような内容だった。この日の一打が、復調へのきっかけとなるはずだ。

 そしてチームは首位・広島との3連戦初戦を取った。ただ勝負はまだ先。8、9月にある本当の勝負どころへ近本をはじめとした各選手が状態を下げないことが大事だ。

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