バイデン氏とサンダース氏、肥満症治療薬の大幅値下げを要求

Patrick Wingrove Manas Mishra

[2日 ロイター] - バイデン米大統領とサンダース上院議員は2日、連名で全国紙USAトゥデーに寄稿し、製薬大手ノボノルディスクとイーライリリーに対して肥満症治療薬の大幅な値下げを要求した。

米疾病対策センター(CDC)によると米国民の4割余りは肥満で、体重を最大20%落とす効果があるとされる両社の治療薬は需要が増大し続けている。

バイデン氏とサンダース氏は、米国の肥満成人の半数がこれらの薬を利用しただけでも、年間費用が4110億ドルに達し、2022年に国民が全ての処方薬に支払った費用を50億ドルも上回る恐れがあると指摘。「大幅な値下げがなければ、米国の医療制度は破産しかねない」と警告した。

さらに両氏は、ノボノルディスクや他の製薬会社が大幅値下げに応じないならば、自分たちの権限を行使してそれを強制すると付け加えた。

ノボノルディスクの糖尿病治療薬で肥満症に処方される「オゼンピック」の定価は935.77ドル、肥満症治療薬「ウゴービ」は1349.02ドル、イーライリリーの糖尿病治療薬で肥満症に処方される「マンジャロ」は約1100ドルとなっている。

こうした要求についてノボノルディスクはロイターに電子メールを寄せ、オゼンピックとウゴービの価格は発売以来約40%下がり、保険加入者の8割余りは毎月25ドルないしそれ未満しか払っていないなどと説明した。

イーライリリーも、同社の特定プログラムの条件を満たす患者には肥満症治療薬を最低月25ドルで提供していると述べた。

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