「左肩が低いから正確」コリン・モリカワの教科書スイング【世界基準の飛ばしテク】

コリン・モリカワのスイングは教科書に載せたい(撮影:GettyImages)

瞬く間に速く美しく振り抜いていく、世界のトップ選手たちのスイング。決して真似はできないけど、見ているだけでワクワクしてくる。今回取り上げるのは昨年の「ZOZOチャンピオンシップ」を制したコリン・モリカワ(米国)。ショットのスコアへの貢献度を表す『ストローク・ゲインド・アプローチ・ザ・グリーン』で米ツアーNo.1になったこともある世界トップクラスのショットメーカーのスイングを、奥嶋誠昭氏が解説する。

テークバックはゆっくりで、トップからいきなりスピードを出せる選手ですね。形だけを見たらオーソドックスで、教科書的なスイング。ヘッドがけっこう上から入ってくるスティープヒッターでもあります。

正面から見たときに左手のグリップのロゴが見えないほど薄く(ウィーク)握っています。アマチュアはグリップを絞るように握って、上体に力が入り過ぎている人が多いので、少し手のヒラを開くように握るのは真似してもいいと思います。構えた時から力が入っていたら動けませんからね。

驚異的なのはバックスイングで腰がずっと正面を向いていること。トップでは背中と左足のラインが一直線に揃っています。これは、きれいに右足の上に乗っかっていないとできない動きです。腰が回らないので、上半身と下半身の捻転差も当然大きくなります。

ダウンスイングでは右ヒジをかなり絞って体の近くに下ろしていきます。そして右ヒジを曲げたままインパクトして、フォローで伸ばしていく。左肩が低いからヘッドも低く長く出せる。これにより正確なフェードボールが打てるんです。

■コリン・モリカワ
1997年生まれ、米カリフォルニア州出身。切れ味鋭いアイアンショットを武器に米ツアー通算6勝。2020年の「全米プロ」、21年の「全英オープン」とメジャー2試合で初出場初優勝を達成した。昨年10月の日本開催の米ツアー「ZOZOチャンピオンシップ」では後続に6打差をつけて優勝している。

■奥嶋誠昭
おくしま・ともあき/1980年生まれ、神奈川県出身。これまでに稲見萌寧や木下稜介のコーチを務め、2021年の東京五輪では稲見のキャディとしてバッグを担ぎ、銀メダル獲得をサポートした。現在は横浜市にあるスタジオ、『THE REAL SWING GOLF STUDIO』でプロやアマチュアの指導を行っている。

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●曲げ伸ばししやすいだけに、使い方を間違えれば即ミスにつながる『ヒジ』と『ヒザ』。関連記事【ヒザを使えばスイング安定!? 岩井姉妹に学ぶ正しいヒザの使い方】では、臼井麗華や藤田さいきなどの多数の女子プロを指導してきた大本研太郎が、『ヒザ』の正しい使い方をレッスンしている。

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