渓流釣りの60代男性、クマに襲われ重傷 天栄、ヘリで病院搬送

 2日午前11時半ごろ、天栄村羽鳥字高戸屋で神奈川県の60代男性が「クマに襲われた」と119番通報した。須賀川署によると、男性は顔を引っかかれたり、腕をかまれたりして重傷。

 同署によると、男性が釣りざおなどを所持していたことから、渓流釣りのため現場付近に来ていたとみられる。

 男性はクマに襲われた後、陸上自衛隊郡山駐屯地の白河布引山演習場ゲート付近まで逃げて倒れていたという。ドクターヘリで福島市の病院に運ばれた。

 現場は道の駅羽鳥湖高原から3キロほど南で、近くには渓流がある。男性が倒れていた付近に住宅はなく、村によると、地元住民もあまり訪れない場所という。

 羽鳥湖周辺は別荘が並ぶリゾート地で、県内外から訪れる人が多いため、同署や村、周辺施設などが連携してクマ対策を万全にするよう注意を呼びかけている。

 県内でクマによる人身被害は、本年度3件目。県は中通りと会津にツキノワグマ出没特別注意報、浜通りに出没注意報を出している。

 矢吹などで目撃情報

 県内で2日、クマの目撃が相次いだ。各警察署によると、クマは体長約0.5~1メートル。目撃場所次の通り。(かっこ内は目撃時間、頭数)

 矢吹町井戸尻の町道(午前4時40分ごろ、1頭)▽郡山市湖南町浜路の県道(午後1時半ごろ、1頭)▽下郷町大松川字滝ノ前丙の国道289号(午後2時10分ごろ、1頭)▽郡山市熱海町石筵の県道(午後4時半ごろ、3頭)

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