癒やしの白 涼やかに 民家のハンゲショウ染まる 兵庫・加西

涼を誘うハンゲショウと富永千廣さん=加西市中富町

 蒸し暑い梅雨のさなかに、涼やかなたたずまい。兵庫県加西市中富町の造園業富永千廣さん(74)宅の庭で、水辺の植物ハンゲショウの葉が白く染まっている。

 ハンゲショウはドクダミ科の多年草で湿地を好む。夏至から11日目に当たる「半夏生(はんげしょう)」の時期に葉を染めることが、名前の由来とも言われる。葉の片面が白くなるため「片白草(かたしろぐさ)」とも呼ばれる。

 富永さんは約15年前、仕事で関わった庭で処理を頼まれ、数株を持ち帰り庭に植えた。水がたまりやすい湿地だったため、今では直径6~7メートルの円形まで繁茂している。

 県のレッドデータブックでCランクに指定される希少種。富永さんは「珍しいので、ぜひ見に来て」と呼びかけている。 (敏蔭潤子)

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