錦織圭、3年ぶりのウインブルドン復帰戦は1セットオールで日没順延。ケガの影響を感じさせず躍動!<SMASH>

現在開催中のテニス四大大会「ウインブルドン」は大会2日目の現地7月2日に男子シングルス1回戦が行なわれ、度重なるケガからの完全復活を目指す元世界ランク4位の錦織圭(現401位)が登場。アーサー・リンダークネッシュ(同76位)と対戦したが、7-5、4-6、1-1となったところで日没順延となった。

錦織は先の全仏オープン(フランス・パリ/クレー)で約2カ月ぶりに実戦に復帰。1回戦では4時間超えの死闘の末にガブリエル・ディアロ(カナダ/現166位)を破り、四大大会で約2年9カ月ぶりとなる勝利を挙げた。しかし続くベン・シェルトン(アメリカ/現14位)との2回戦では右肩を負傷し、途中棄権を余儀なくされていた。

芝シーズンはプロテクトランキング(負傷離脱前の順位でエントリーできる救済措置/PR)48位で「ロスシー国際」(イギリス・イーストボーン/ATP250)に出場するはずだったが、初戦開始直前の練習で右足首を負傷したため欠場。結局前哨戦では1度もプレーしないまま、2021年大会以来3年ぶり13度目のウインブルドンを迎えることとなった。

今大会にもPRで参戦している錦織の初戦の相手は、196センチの長身を生かした強打と粘り強いプレーを武器とする28歳のリンダークネッシュ。悪天候の影響もあり開始が予定よりも大幅に遅れたこの試合は、錦織が立ち上がりからぶっつけ本番とは思えない安定したプレーを披露し、第2ゲームで早々にブレークを奪う。
直後の第3ゲームではリンダークネシュの深いショットに押されてブレークバックを許すも、続く第4ゲームでは錦織がリターンでプレッシャーをかけて2度目のブレークに成功。その後再びブレークを返されたものの、迎えた第12ゲームでは錦織がまたしても強力なリターンを起点にポイントを重ね、セットポイントでラリー戦を制して第1セットを先取した。

その後もプレーの精度を落とさない錦織。課題のサービスでもコースをうまく散らしつつポイントにつなげ、テンポ良く試合を進めていく。しかし第5ゲームでリンダークネッシュの強打に手を焼き痛恨のサービスダウン。1ブレークの差で何とか食らいついていった錦織だったが、次々に力強いショットを打ち込んでくるリンダークネシュを崩せずセットオールに持ち込まれる。

そして試合は第3セット、両者1ゲームずつキープしたところで主審が日没順延を宣告。再開は日本時間3日の20時30分以降を予定している。久々の聖地ウインブルドンで初戦突破を果たせるか、錦織の奮闘を期待したい。

文●中村光佑

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